ダークサイドミステリー「ヒトラーを死体でだませ! スパイ大作戦“オペレーションMM”の謎」2025-03-20

2025年3月20日 當山日出夫

ダークサイドミステリー ヒトラーを死体でだませ! スパイ大作戦“オペレーションMM”の謎

再放送である。最初の放送は、2023年4月13日。

ミンスミート作戦のことについては、日本でも本が出ているのだが、見逃していたようである。

『ナチを欺いた死体-英国の奇策・ミンスミート作戦の真実』.ベン・マッキンタイアー.小林朋則(訳).中公文庫.2022

このことをNHKで取りあげるとすると、このダークサイドミステリーぐらいしかないのかもしれない。あるいは、せいぜい、「映像の世紀」のなかで一つのエピソードとしてあつかうことぐらいだろうか。しかし、残っている映像資料がほとんど無いはずだから、難しいだろう。

第二次大戦中の、インテリジェンスについては、まだま知られていない秘話というべきものがたくさんあるにちがいない。その大部分は、秘密裏のままに、埋もれてしまっていることになるだろう。(まあ、政府や軍の専門の機関には、その当時の資料が残っているということはあるかと思うが、容易に公開できるものではないだろう。)

結果的には、この作戦は成功して、連合軍はイタリアのシチリア島に上陸したことになる。ドイツ、ヒトラーは、まんまとだまされたということになる。これは、イギリス側の作戦勝ちということなのか、ヒトラーの方が、情報の判断を誤ったということなのか。総合的に考えると、いろんな要因が作用して、結果としては成功ということであったらしい。

しかし、まあ、死体を海岸に漂着させて、偽の情報をナチスの方につかませる、というのは、よく考えたものである。

ちょっと気になった部分は、その情報を分析した、ナチスの情報分析官の報告書が、画面で見ると英語で書いてあったのだが、まあ、これは再現映像だからこうなったということでいいのだろうか。常識的には、ドイツ語で書いてあるべき文書である。

封蝋をした封筒から、中の手紙を抜き取るのは、面白い。なるほど、こんなふうにして、中を見ることができるのか、と思った。

偽文書が、スペイン海軍にわたってから、イギリスがスペイン大使館に打電していたのだが、これは、暗号化してあったはずだが……いくら中立国のスペインの大使館宛とはいえ戦時中に平文で連絡するはずはないだろう……その暗号を、ドイツ側が解読しているということを、おりこんでのことだったということになる。暗号をめぐっても、様々なレベルのだまし合いがあったことになる。

戦時中のインテリジェンスをめぐることとしては、おそらくは、すくなくとも満州事変のころから、日本もからんでいろいろとあるにちがいないと思うのだが、おそらくは、太平洋戦争の終結とともに闇に葬り去られたか、もし記録が残っているとしても、そう簡単に表に出せるものではないだろう。

2025年3月17日記

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