ダークサイドミステリー「お化け屋敷の進化が止まらない!〜“怖い”は楽しい!の秘密〜」2025-06-12

2025年6月12日 當山日出夫

ダークサイドミステリー お化け屋敷の進化が止まらない!〜“怖い”は楽しい!の秘密〜

再放送である。最初は、2023年7月20日。

これはなかなか面白かった。

そもそも人は、何故、怪異を求めるのだろうか、ということが気になることであるが、ここについては、江戸時代の東海道四谷怪談ぐらいからの説明であった。しかし、日本文学の歴史としては、古く、古代から怪異にかかわる作品は多くある。『源氏物語』の「夕顔」の巻などは、荒れはてた屋敷で女がお化けにとり殺される話しである。これを、王朝人は、どのような感覚で読んだのだろうか。

東海道四谷怪談からはじまって、明治になって、見世物としてのお化け屋敷が作られるようになる。それが、現代では、恐怖を体験するという娯楽に変わってきている。そこには、恐怖を感じながら、最終的には快感を感じる、人間の心理についての考察が基本にある。これが、落語のオチの分析(二代目桂枝雀)と重なるというのも、興味深い。

平和なとき、身の安全が保証されている社会の状況でないと、お化け屋敷は娯楽として成立しない、というのはそのとおりだろう。(次の瞬間にも、ミサイルが飛んできて死ぬかもしれないというような状況のなかで、お化け屋敷もないだろう。)

お化け屋敷にネットでつないで、電子メールを送ると返信が返ってくる……これは、面白そう、いや、怖そうである。実際、お化け屋敷限定ということではなく、ネット空間のなかに、恐怖への回路がつながっているという感覚は、すでに、多くの人が感じとっていることかもしれない。おそらく、今では、スマートフォンの向こうに広がるバーチャルな世界が、リアルの世界と見分けがつかなくなって、恐怖の舞台になっている、そう考えてもおかしくはない。

まったくどうでもいいことだが、番組の中で表示されていた文字で、「安堵」の「堵」の漢字の字体がゆれていた。もう今では、こういうことを気にしなくなっているのかと思う。

2025年6月10日記

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