BS世界のドキュメンタリー「「ジョージ王子 英王室の新しい帝王学」2025-07-15

2025年7月15日 當山日出夫

BS世界のドキュメンタリー 「ジョージ王子 英王室の新しい帝王学」

2024年、イギリスの制作。

イギリス王室のことには、ほとんど興味関心はないのだが、見ていてけっこう面白かった。日本にも、皇室ジャーナリストというような人がいるし、テレビ番組では「皇室アルバム」というのが続いている。なぜかこの番組は、日本ではもっとも、いわゆるリベラルよりとされるテレビ局であるのが、不思議である。まあ、これも、テレビ局にとっては、商品であるとすれば、そんなものだろうと思うが。

英国王室の家族のあり方というのが、時代の価値観……家族とはどういうものか……ということを、映し出すことになっている。そして、それを意識して、英国王室では、世の中の流れに沿うように変わっていき、社会的な広報にもつとめている、ということなのだろう。

男女の夫婦がいて、子どもができれば、それは両親が中心になって育てる……これは、今の進歩的な考え方からすれば、まったくの時代錯誤であり、封建的家父長的なろくでもない制度、ということになるかもしれないが、しかし、英国王室がこのような姿を、さまざまなメディアを通じて、一般に知られるようにしているということは、これを受け入れるところが、英国社会のなかにまだ強く残っているということなのだろう。

文化の違いといえばそれまでであるが、英国王室の人たちの動作やふるまいは、開放的であり、ある意味では、やや大げさにも見える。日本の価値観だと、人前で強く自分の感情を表情や動作で表現することは、はしたないとされる場合が多いので、見ていて国がらのちがいを感じることになる。

興味深かったのは、養育係であるナニーの養成専門の学校があること。イギリスのお金持ち階級に限らず、ナニーの需要はあることになる。今では、世界の富裕層を相手に仕事があるのかとも思う。かなりの高給の仕事である。

いわれてみればそうなのだが、英国には、日本の学習院にあたる学校がない。(まあ、日本でも、学習院に皇族が行くとは限らなくなっているけれど。)

軍務につくということが、将来の問題になりそうだといっていた。歴史的にみれば、日本でも、近代になってから、天皇は大元帥であり、皇族(男性)は軍人でもあった。現在の上皇陛下も、年齢によっては軍にかかわっていたことになり、その場合、その経歴がどう評価されることになったかと思うことになる。軍とかかわることなく戦後になって、平成の時代の天皇となったことは、あらためて考えてみると意味のあったことになるだろう。

軍人であった皇族は、戦死した場合は特別あつかいされる。靖国神社がそのことをしめしている。

英国にかぎらず日本でも、王室、皇族のあり方というのが、その時代の家族観、家庭観を反映したものであるということは、確かなことであると思う。

見ていると映像の素材として、YouTubeのものが多く使われていた。それだけ、英国王室が多くの情報発信を積極的にしているということになる。

2025年7月8日記

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