芸能きわみ堂「大河ドラマ連動!べらぼうな時代の浮世絵師たち」 ― 2025-10-09
2025年10月9日 當山日出夫
芸能きわみ堂 大河ドラマ連動!べらぼうな時代の浮世絵師たち
『べらぼう』の関連で、これまでNHKがいくつかの番組を作ってきている。その多くは見てきたつもりだが、これが一番いい。というよりも、この番組の性格としてそうなのだが、芸能、芸術、芸、エンタテイメント、ということの本質が分かって作っている。
だからといって、他の番組が悪いというのではない。番組の方針(どういう視聴者を想定するか)ということであり、強いていうならば、制作のスタッフの芸というものに対する考え方(また、素養)ということになるだろうか。他の番組だと、どうしても歴史の解説があって、説明的になってしまうところがある。(そうなることが悪いとは思わないけれど。)
歌麿の浮世絵を題材にした、舞踊「うたまろ」。とてもいい。無論、踊りもいいのだが、テレビの画面での見せ方がいい。これが、下手な演出だと、踊っている人の顔をアップにしたくなる。それをしない。せいぜい、上半身だけになっている。見ていて、その顔の表情がとてもいいのだが、それは、あくまでも、全体としての舞台があって、そこでの身体表現としての舞踊(かなり近代的なことばで言うとであるが)であること、ここのところが分かっている。
北斎の、「神奈川沖浪裏」を題材の曲もいい。音楽としてもいいが、演奏しているところを見せることの意味が、つたわってくる。
それから、浮世絵の解説で登場していたのが、内藤正人。美術の専門家の目で見て、歌麿の美人画の本質をついている。北斎の富士山について、その背景に富士の信仰があったことを想定するのは、江戸時代の人びとの生活の感覚としては、当たり前のことだろう。
春章の中村仲蔵の浮世絵が映っていた。『べらぼう』とは、すこし離れることになるので、ただ映っていただけなのだが、役者絵の歴史、そして、歌舞伎の歴史のなかで、中村仲蔵の存在と、その浮世絵のことは、とても重要なことである。ここは、あえて余計な説明をしないで、ただ絵を映していただけというのが、ある意味で、この番組の良さ(?)といっていいだろうか。
この絵は、今だと、文化遺産オンラインなどでWEBで簡単に見られるようになっている。
2025年10月4日記
芸能きわみ堂 大河ドラマ連動!べらぼうな時代の浮世絵師たち
『べらぼう』の関連で、これまでNHKがいくつかの番組を作ってきている。その多くは見てきたつもりだが、これが一番いい。というよりも、この番組の性格としてそうなのだが、芸能、芸術、芸、エンタテイメント、ということの本質が分かって作っている。
だからといって、他の番組が悪いというのではない。番組の方針(どういう視聴者を想定するか)ということであり、強いていうならば、制作のスタッフの芸というものに対する考え方(また、素養)ということになるだろうか。他の番組だと、どうしても歴史の解説があって、説明的になってしまうところがある。(そうなることが悪いとは思わないけれど。)
歌麿の浮世絵を題材にした、舞踊「うたまろ」。とてもいい。無論、踊りもいいのだが、テレビの画面での見せ方がいい。これが、下手な演出だと、踊っている人の顔をアップにしたくなる。それをしない。せいぜい、上半身だけになっている。見ていて、その顔の表情がとてもいいのだが、それは、あくまでも、全体としての舞台があって、そこでの身体表現としての舞踊(かなり近代的なことばで言うとであるが)であること、ここのところが分かっている。
北斎の、「神奈川沖浪裏」を題材の曲もいい。音楽としてもいいが、演奏しているところを見せることの意味が、つたわってくる。
それから、浮世絵の解説で登場していたのが、内藤正人。美術の専門家の目で見て、歌麿の美人画の本質をついている。北斎の富士山について、その背景に富士の信仰があったことを想定するのは、江戸時代の人びとの生活の感覚としては、当たり前のことだろう。
春章の中村仲蔵の浮世絵が映っていた。『べらぼう』とは、すこし離れることになるので、ただ映っていただけなのだが、役者絵の歴史、そして、歌舞伎の歴史のなかで、中村仲蔵の存在と、その浮世絵のことは、とても重要なことである。ここは、あえて余計な説明をしないで、ただ絵を映していただけというのが、ある意味で、この番組の良さ(?)といっていいだろうか。
この絵は、今だと、文化遺産オンラインなどでWEBで簡単に見られるようになっている。
2025年10月4日記
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