芸能きわみ堂「十八世中村勘三郎の芸と人」2025-12-13

2025年12月13日 當山日出夫

芸能きわみ堂 十八世中村勘三郎の芸と人

唐十郎に影響を受けた、ということであるが、見てみると、私と同年の生まれである。私は演劇にはほとんど関心のない生活をおくってきたので、唐十郎の演劇を見たということはないのであるが、しかし、こういう人が生きてきた時代については、共感するところが多くある。

演劇、歌舞伎、これは、何よりもエンタテイメントである。娯楽である。こういうことをきっぱりと言える背景には、戦後の時代の、(今から思えばであるが)妙にインテリが幅をきかせていた時代というものがあったことを思う。だからといって、人間の知的営為、知性については、最大限、尊重すべきと思っている。

そして、反権力と(低俗と一般に言われるような)娯楽とが、親和的だった時代でもあった。

このような時代背景があって、ある時代に流行した、ニューアカ(ニュー・アカデミズム)という方向があった。私としては、こんなふうに思う。

娯楽であることを追求した歌舞伎、ということである。そして、重要なことは、娯楽とは、人と人とが一緒にいるところに生まれるものである。だからこそ、ライブでなければならない演劇の魅力がある。劇場でなければ、表現出来ないものがあり、そのときのその場所でなけば感じられないものがある。

また、伝統芸能である歌舞伎は、常に、世の中の最新の感覚にうったえるものでなければならない、ということもある。これは、古典芸能のみならず、クラシックとされる分野において、基本的にいえることである。歌舞伎だからといって、日本でだけの公演でいいというわけではない。相撲だって、イギリスに行くのである。

歌舞伎の演目としての『俊寛』は、『平家物語』に題材をとっていることになるが、内容としては、大きく変わっている。たしかに、人間の情を描くということでは、ドラマチックになっているのだが、私の感覚としては、シンプルに島においてけぼりになる『平家物語』の筋の方が、しっくりくる。

2025年12月6日記

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