映像の世紀バタフライエフェクト「華僑 世界最大の移民集団」 ― 2026-04-18
2026年4月18日 當山日出夫
映像の世紀バタフライエフェクト「華僑 世界最大の移民集団」
華僑ということばは、別に使ってはいけないことばということではないだろうと思うのだが、このごろでは、あまり使わなくなったかと思っている。今風の言い方をするならば、中国にルーツを持つ世界で暮らす人びとの総称、とでもいうことになるだろうか。
始まりは、中米のパナマルートでアメリカに、(あえていえば不法に)入国しようとする、走戦者、といわれる人びと。この人びとのことについては、他の番組でも取りあげているのだが、命がけである(決して大げさではなく)。これほどの危険をおかしてでも、本国にはいたくない事情があるのだろう。それだけ、今の中国は酷い国、ということになるのかもしれない。
「映像の世紀」ということだから、映像記録が残っている時代のことになる。この範囲のこととして、ギリギリ残っているのが、苦力ということになるだろう。私の認識では、アメリカで黒人奴隷が使えなくなって(タテマエ上のことではあるとしても)、そのかわりに欧米で重宝された、安価な有色人種の労働力ということかなと、思っている。おそらく、その裏には、人身売買というべきことが横行していただろうとは、想像してみる。
さかのぼれば、中国で漢民族が住み始めてから、その一部は、その勢力の外側へと出て行っていたので、特に華僑と定義するのは、どういうことになるのか。歴史学の方面では、きちんとした定義があって使う用語になっているのかと思うが、このあたりのことは、説明があってよかったかもしれない。
人身売買で売られた場合もあるだろうし、貧乏がいやで出ていって一攫千金を夢みた場合もあるだろうし、お金はあるのだが政治体制がいやで出ていくという場合もあるだろう……いろんなケースがあるので、一口に華僑といっただけでは、どういう人びとをさすのか、はっきりしないということがある。
シンガポールが、ある意味では、中国系の国(?)といっていいのかとは思うが、その歴史は、大英帝国の植民地支配から、大東亜戦争(というべきだろう)を経て、いろんな歴史的経緯があってのことになる。私の認識では、一部のお金持ちと、大多数の貧乏人(形式的には奴隷ではないが)の国と思っている。ちょっと極端な言い方かとも思うが。
毛沢東を革命の英雄ということでは描いていない。これは、スターリンほどではないが、ほぼそれに準じてあつかっていいということだろうか。スターリンは、今では、ヒトラーに並ぶ、歴史の中の悪魔である。
天安門事件のことを大きくとりあげていた。普通に語られるよりも、犠牲者の数を多めに言っていたかと思える。(実際に、何があって、どれぐらいの犠牲者であったかは、いまだに分からないし、これからも、分からないかとも思うが。30万ということにはならないにしても、3万ぐらいにはなるかもしれない。要するに、とてもたくさん、という意味であるが。)
気になるのは、外国で住む中国系の人びとの意識を、一括して論じることの是非かなと思う。一般に、民族が一つの民族としてまとまっているのは、言語と宗教が主な要素になる。中国語を忘れ(そもそも、中国語は、非常に方言の違いが大きいので、中国語とまとめて言っていいかどうかも問題だが)、宗教としても統一がとれているようには思えない、しかし、自分たちは、中国系の人間であると意識するとする、その根底にあるのは、いったい何なのだろうか。
ここでは、場合によると、エマニエル・トッドの言うような、家族の類型論から考えるのが、一つの有効な方法かもしれない。
番組の中で言っていなかったが、世界にいる中国系の人びとの中には、悪いやつだっていっぱいいるはずである。中国系マフィアとでもいうことができようか。それも、決してまとまっているということでもないだろう。裏の世界で暗躍する、死の悪徳商人がいることも、認識しておくべきだろう。
華僑、中国人の同族意識、ということは、世界史の中の大きな謎の一つかもしれないと思える。
2026年4月15日記
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