サイエンスZERO「脳で嗅ぐ“嗅覚”!?世界とどう関わるのか?」 ― 2026-05-01
2026年5月1日 當山日出夫
サイエンスZERO「脳で嗅ぐ“嗅覚”!?世界とどう関わるのか?」
どうも論点が雑かなという印象がある。
視覚にせよ、聴覚にせよ、最終的には脳がどう反応するかということで考えるのが、現代のサイエンスの流れだと思っているので、嗅覚について、脳のどの部分がどう反応しているのか、ということの研究、ということならば、この方向で、ここまで分かったでよかったかと思う。
問題かなと思うのは、人間の環世界として、嗅覚の範囲は、どのような意味があるのか、ということだろう。これは、他の動物、たとえば犬などに比べると、非常に狭い範囲の匂いしか感じないはずである。このように人間が進化してきたことは、どういうことがあってのことなのだろうか。
人間が匂いとし感じることがなくても、空気中の何かの物質に対して反応をしめす、ということはあることなのだろう。フェロモンであり、涙、であるということになる。(番組の中では、はっきり言うのを避けていたが、女性は、男性の匂いに反応するということは、こういうところに性差があるという認識でいいのかと思うが。)
それを検知してなにがしかの反応がある、行動を変えることがある、ただし、それを匂いとして脳で処理することはない、これはこれで、非常に面白い現象であると、私には思える。いわゆる五感で感じる以外のもの、目には見えないものに、人間は反応することがある、これはそうだろうと思う。これを、最近のサイエンスでは、特に、fMRIの利用によって、脳の反応としてとらえることができるようになってきている、という流れでいいだろうか。
それから、嗅覚や味覚は、その人間の経験に関係することが大きい。これを文化ということから説明してもいいし、経験主義的に説明してもいいかもしれない。考え方によるかと思うが、(文化や経験とは無関係な)純粋な匂い、さらにいえば、純粋に美味しいものやその匂い、ということがありうるのか、という問題になるかもしれない。
2026年4月29日記
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