映像の世紀「8K映像で描く第二次世界大戦 第四回 地獄 1944-1945」 ― 2026-05-01
2026年5月1日 當山日出夫
映像の世紀「8K映像で描く第二次世界大戦 第四回 地獄 1944-1945」
HDに録画してあったのを、順番に見ている。ただし、テレビは4Kである。
内容として特に目新しいところがあるということではない。おおむね、広く知られていることばかりといっていいだろうか。
印象に残っているのは、ペリュリュー島の戦闘。太平洋の激戦地として、今では、知られるようになったところである。だが、この島の戦略的価値は、ほとんどなかったというのが、歴史の結果ともいえる。非常に残酷なことだが。この島に日本軍が飛行場を作って、アメリカ軍の行く手を遮ることになる、ということだったら、また違っていたかもしれない。アメリカ軍としても、この地域の、制海権・制空権をとってしまっているので、無理に占領することもなかった。
この回であつかっていたのは、日本とアメリカとのことでいえば、サイパン、テニヤンの陥落の後のことである。日本側からいえば、絶対国防圏を破られてからのことになる。太平洋戦争の歴史としては、ミッドウェーの敗戦、それから、サイパン、テニヤンを失ったことが、大きな転換点になったことになる。戦術(?)としての特攻とか、朝鮮や台湾での徴兵とかも、大東亜戦争の末期になってからのことである。それまでは、志願制だった。
太平洋戦争というと、どうしてもマンハッタン計画のことが大きく取りあげられるのだが、それよりも、B29の開発のことの方が、意味が大きいかもしれない。原爆が作れても、それを、日本まで運んで投下する手段がなければ、意味がない。まさに、B29の開発と、マンハッタン計画とは、総合的に考えられるべきだろう。日本各地での無差別爆撃ということになったのは、B29が使えたからである。
沖縄戦については、いろいろと語るべきことはあるだろうが、私としては、太田実海軍少将のことについては、触れておいてほしかった気がしている。
8月9日を、長崎での原爆投下の日として記憶するとしても、同時に、この日が、ソ連が、日ソ中立条約を破って参戦したときでもあることを、忘れてはならないと思っている。
ヨーロッパ戦線については、今では、ヒトラーが悪い、また、スターリンが悪いということで、だいたい話しをすすめることになっている。ヨーロッパで、連合軍が何をしたか、ソ連軍が何をしたか、いろいろと語るべきこと、あるいは、今でも語りたくないことは、たくさんあるにちがいないと思う。
フランスが、第二次世界大戦の戦勝国に名前を連ね、その後、国連安保理の常任理事国になったのは、歴史の流れもあるのだが、ヴィシー政権のことは、フランスの歴史にとって、どのように語られていることなのだろうか。ド・ゴール将軍を英雄視するだけではない、難しい問題があるはずである。
ドイツ軍が去ってから、フランスで、ドイツ軍と仲のよかった女性が酷い目にあったことは、周知のことになっている。私は、いろんな戦争の歴史がある中で、この件は、人間の愚かさを最も象徴的に表すものかという印象を持っている。残虐で悲惨な事例は、数え切れないぐらいあり、人間が時と場合によってはどれほど残酷になるものであるかということを知るにしても、愚かになるとはこういうことなのかという思いで、女性たち、いや、そのまわりの人たちを見ることになる。
何度見ても思うが、その向こうに生きた人間がいるということを分かっていて、火炎放射器の炎を向けるという、その人間の心理というのは、とてつもない闇を感じることになる。戦争とはそういうものだといってしまえば、それまでなのだが。
太平洋戦争、あるいは、大東亜戦争が終わったのが、8月14日、としていた。ポツダム宣言を受諾することを、通知した日である。9月2日のことについて何も言っていないのだが、通例にしたがって8月15日で戦争が終わったとしなかったのは、その意図があってのことなのだろう。
2026年4月28日記
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