ETV特集「アリひと讃歌」2026-06-11

2026年6月11日 當山日出夫

ETV特集「アリひと讃歌」

玉川大学は、アリやミツバチの研究ではすぐれた大学であるとは知っていることである。

まず、思うことは、アリやミツバチなどの社会性昆虫について、その生態を、人間社会に無理に投影して考えない方がいいだろう、ということである。生物学的にはどう考えることになるのかとは思うが、アリやミツバチが集団で一個の生命のような生き方をしていることと、人間が社会や国家などの集団や組織を作って生活するようになっているということとは、直接、むすびつけて考えない方がいいかと思う。アリにはアリの事情があり、人間には人間の事情があってのことであろう。

面白かったのは、寄生するアリがいて、それを殺して排除してしまう現象。これは、自分たちの仲間とは違うやつがいるということを認識してのことだと思うが、では、アリは、どうやって自分たち(同じ女王アリから生まれて同じ巣にいる)と、他のアリを区別して認識しているのだろうか。そのメカニズムと、社会性のあり方と、どうなのだろうかと気になる。

玉川大学でアリを研究していました、ということは、就職活動で、プラスになるかマイナスになるか、当事者の学生でないと分からない、いや、そうであっても知ることのできないことかとも思うが、ただ、アリをずっと観察することによってえることのできるものとしては、集中力と観察力、ということはあるだろう。というよりも、こういう素質がないと、アリの研究はできないはずである。(アリや他の昆虫や、広く生態系についての知識は必要であるにちがいないが。)

ところで、学生が研究室で観察していたアリたちは、卒業したらどうなるのだろうか。つづいて、後輩が、研究を引き継ぐというシステムになっているのだろうか。継続して飼育して観察を積み重ねることによってえられる知見というものもあるはずだが。また、アリを飼育するノウハウの伝授ということも重要だろう。

卒業した学生たちのその後も気になることであるが、私は、逆に、研究室に残されたアリたちのその後のことの方が心配である。

2026年6月8日記

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