国語語彙史研究会に行ってきた2017-09-18

2017-09-18 當山日出夫(とうやまひでお)

16日は、関西大学で、国語語彙史研究会。台風の影響で雨が降っていたが、行ってきた。

総じて感想をのべれば、レベルの高い研究会であると思う。まあ、発表した人たちは、それなりに研究者としてのキャリアのある人であるから、それも当然であるが。

ともあれ、私として関心を持ってきいていたのは……ことばを学問的にあつかう方法論について。いろんな研究分野、研究対象、また、それに応じて研究方法がある。だが、どのような研究をするにしても、基本的に守らなければならない、ふまえておかねばならない、基本的手続きというものがある。

今回の発表(三件)は、部分的には問題がないわけではないだろうが、おおむね基本的な方法論にしたがっていたと思う。私としては、結果としてその発表で何が言われているかもあるが、それよりも、そのことをいうために、どのような学問的な手続きをふまえているか、ということが勉強になったと思っている。

懇親会に出て、だいたい毎回同じようなメンバーとすごす。で、時間が早かったので……それから、翌日(17日)の表記研究会が中止ということだったので……二次会に。

大学の近くの、ちょっとおしゃれな感じのお店。関大の先生の知っている店とのことで、悪くはなかった。(このあたりも、お店の栄枯盛衰ははげしいらしい。行った店も、新しく出来たところとのこと。)

いろいろ雑談して、帰った。帰って、メールを確認してみると、17日の表記研究会は中止にする旨の連絡がはいっていた。賢明な判断だったと思う。大阪に暴風警報がでているような状態になったから、開催は無理ということになったであろう。

私の専門としては、あまり語彙には関係ないのであるけれども、主に、文献資料をつかって、ことば(日本語)を歴史的に研究するということで、この研究会は、いろいろ勉強になるところがある。次回は、12月である。たぶん、これも出席することになるかと思っている。

訓点語学会(116回)に行ってきた2017-05-24

2017-05-24 當山日出夫(とうやまひでお)

先日、2017年5月21日は、第116回の訓点語学会研究発表会。京都大学文学部。

この日の京都の予想最高気温は、32℃ということだったので、上着なし、ネクタイなしで行った。会場の教室はエアコンが入れてあるので、そんなに暑くはないのだが、昼食などで外にでるとやはり暑かった。夕方になると、かなり涼しく感じるようになってきた。暑いといっても、真夏のころとは、まだ違う。

訓点語学会といっても、訓点資料をあつかう研究はすくなくなってきている。それよりも、古辞書などをふくめた、国語史研究全般の研究会という感じである。この意味では、近代語研究会も、近代語としてあるとはいえ、ここも日本語の歴史的研究というところに中心があるように思える。それから、国語語彙史研究会も、それに近いかなという気はしている。語彙という限定はついているが、歴史的な研究発表が多い。

大坪併治先生も姿をみせておられた。107歳になられるという。100歳をこえても健康でいるだけではなく、研究活動もなさっておいでである。これは、ことほぐべきこと思う。

研究会が終わって、いつものとおり懇親会に出て、だいたいいつものメンバーで、二次会。京都に宿泊の人の都合を考えて、四条あたりまで出ることにした。手頃な焼き鳥屋さんで、かるくビールでも飲みながら、今回は、古書の話し。

家にかえったら11時ぐらいになっていた。翌朝は、いつもどおりに、5時におきて、子どもを仕事におくっていく(駅まで)。それから、一休みしてしまった。やはり、ここで一休みしないと、後の仕事がつらくなってきた。

家を出ていた間に、表記研究会の案内のメールがきていた。7月1日。東京の清泉女子大学である。「秋萩帖」の特集企画。私は、
「秋萩帖」と「学術情報交換用変体仮名」
ということで話しをする予定。だいたい話す内容は考えてあるのだが、レジュメの準備とかはこれから。

表記研究会のことは、すでに日本語学会のHPにも掲載になっている。

国語語彙史研究会(115回)に行ってきた2017-04-24

2017-04-24 當山日出夫

土曜日(2017-04-22)は、第115回の国語語彙史研究会。同志社大学まで行ってきた。

たまに、街中に出たせいか、何かの花粉などのせいか、翌日の日曜日は、もうひとつ調子がよくなかった。前日の帰りがおそいにもかかわらず、朝一番におきて、子どもを、仕事に送って行く(駅まで)という仕事があったせいもあるのだろうが。

もう還暦をすぎると、特に新しい研究分野に手を出そうという気はなくなってきている。しかし、それでも、国語学の分野で、若い人達が何を考えて、どんな研究をしているのかに、ふれる機会としては、非常に刺激になる。

今回の研究会は、どちらかというと若い人達が中心の発表が多かった。ただ、おおまかな感想を述べるならば、部分的には精緻な考察がなされれているのだが、その発表全体として、何がいいたいのか、いまひとつはっきりしない、という印象だった。とはいえ、最新の若い人達の考えることに触れるよい機会であったと思う。

懇親会は、会場(良心館)の通りをはさんだ、寒梅館の一階のレストラン。ここは、これまで、同志社で研究会などがあったとき、何度かつかったことのある店。

この懇親会では、もう恒例になってしまったかのような感じで、私が、開始の乾杯の挨拶。といって何を話すのでもないが……もう還暦をすぎたので、特に新規の研究をおいかけるというよりも、昔読んだ、古典、名著というようなものを読んで過ごしたいと思っている、岩波文庫とか。それから、日本思想大系など、今では、古書店で安く手に入る時代になったし。まあ、このような話し。

懇親会は、比較的早く終わったので、若い人(奈良女子大学、東京大学)と一緒に京都駅まで行く。手近な店で、かるくビールでも飲みながら、年寄りの雑談。

昔、学生のころには、コンピュータがなかった。論文などは、手作業でカードをつくって、並べて、原稿用紙に万年筆で書いた。それが、パソコンが登場してから、使い始めた。人文学系の研究者としては、パソコン利用の第一世代になるだろう。

それが、今の若い人であれば、デジタル・ネイティブという環境の中でそだってきている。そのような若い人達にとって、昔の手作業のときの研究の話しなど、ある意味で興味のあることかもしれないと思う。

コンピュータの登場によって、何が変わったか、何が変わらないでいるか、このあたりのことを、人文情報学の歴史として、そろそろまとめるような仕事があってもいいのではないかと思っている。

次に学会に出るとすると、訓点語学会(京都大学)になる。それまでには、書斎の本の整理などしてしまおう。あるいは、メインにつかうコンピュータを、今のWin7から、Win10に置き換えてもいいかと思っている。プリンタとスキャナのドライバがあえば、特に問題はない。

28回「東洋学へのコンピュータ利用」でいいたかったこと2017-03-12

2017-03-12 當山日出夫

3月10日は、京都大学人文科学研究所で、第28回「東洋学へのコンピュータ利用」。
http://kanji.zinbun.kyoto-u.ac.jp/seminars/oricom/
http://kanji.zinbun.kyoto-u.ac.jp/seminars/oricom/2017.html

私の話しは、最初。
「JIS仮名とUnicode仮名について」

これは、去年の表記研究会(関西大学)で、「JIS仮名とユニコード仮名」というタイトルで話をしたものに、再整理して、テーマを、仮名のコード化ということにしぼって、さらに、用例・実例などを、追加したもの。表記研究会では、主に、日本語学研究者を相手だった、今回は、うってかわって、コンピュータや文字コードの専門家があつまる会。

話しの内容の基本は、私の書いているもう一つのブログ「明窓浄机」で書いたことである。

明窓浄机
http://d.hatena.ne.jp/YAMAMOMO/

基本的な主な内容は、すでにここに書いてこと。それに対して、今回特に付け加えて言ったこととしては、ちょっとだけ、最後の方に追加したことがある。それは……翻刻とはどういう行為であるのか、そして、翻刻と文字コードとはどう考えればよいのか、ということ。

今回の研究会、最後の発表が、

永崎研宣(人文情報学研究所)
Webで画像を見ながら翻刻をするためのいくつかの試み

この発表の趣旨は、主に、IIIFによる、画像データの処理。これはこれで、非常に興味深いことなのだが、その先の具体的な話しになると、「翻刻」「翻字」「釈文」というのは、いったい何なのか、という議論の世界がまっているはずである。

常識的に考えて、写本・版本の漢字・仮名を、現在の通行の漢字・仮名におきかえる仕事、といってしまえば、それまでであるが、この時、考えなければならないいくつかの問題点がある。

漢字は、現在の通行字体(常用漢字体)にするのか、それとも、いわゆる正字体(旧字体)にするのか、という問題がある。これは、単純に置き換えることのできな場合がある。

それから、変体仮名の問題がある。全面的に変体仮名が縦横につかわれている近世以前の版本・写本を、現在の通行の仮名字体になおす、これはいいだろう。

ところが、明治以降、近代になってから、活字印刷がはじまってから、変体仮名活字というものが、使用されている。これを、どのように、翻刻するべきなのか。これから、議論しなければならない論点になってきている。

近代になって、特に、戦後、仮名は非常に整理された状態になっている。変体仮名を使おうと思っても、その活字、また、フォントが無い、という状態であった。それが、今般、変体仮名のユニコード提案という事態になって、変体仮名を翻刻につかえる可能性が出てきた。

では、明治時代ぐらいの書籍などで、変体仮名活字がつかわれている場合、そのまま変体仮名で表記するのか、それとも、現在の通行の仮名字体にするのか、新たな判断が求められるようになってくるだろう。

現在でも、古典籍の翻刻などにおいて、「ハ」「見」は、「は」「み」にせずに、漢字の字体を使用するというような慣習がある。(詳しく調べたわけではないが、これは、私の学生のころから、ひろくひろまってきた慣用的な方法のように理解している。)

そして、このような翻刻の方針について、異論を述べる人も現在でもいる。

翻刻における漢字字体の問題、仮名の問題(変体仮名)、このような問題に、すぐに正解があるということではないであろう。あつかう文献の種類や、その翻刻の利用目的に応じて、様々な方式があるとすべきである。だが、これから、本格的に、近代の活字資料の翻刻、デジタルテキスト化ということをむかえて、このことについて、改めて議論を重ねていく必要があるにちがいない。

語彙・辞書研究会で言いたかったこと2016-11-16

2016-11-16 當山日出夫

語彙・辞書研究会、第50回の研究会に行ってきた。記念のシンポジウムで、テーマは「辞書の未来」。
2016年11月12日。新宿NSビル。

http://dictionary.sanseido-publ.co.jp/affil/goijisho/

その質疑の時、私が言おうとして十分に語れなかったことについて、ここに書いておきたい。つぎのようなことを私は言いたかった。

もし、日本語が漢字というものをこれからも使い続けていくとするならば、書体・字体・字形をふくめて、安定した形で見ることのできる紙の辞書は、ある一定の需要、あるいは、必要性があるのではないだろうか。たしかに、世の中の趨勢としてデジタル辞書の方向にむかっていることは否定できないであろう。であるならば、デジタル文字ほど、不安定なものはない。特に漢字について、その書体・字体・字形をきちんと確認することは、ある意味では、デジタルの世界では無理と考えるべきかもしれない。逆に、この可変性のなかに、デジタル文字、デジタルテキストの特性を見いだせるだろう。そのような流れのなかで、安定した文字のかたち(書体・字体・字形)を見ようとするならば、まだ、紙の辞書に依拠せざるをえないのではないか。紙の辞書に文字の典拠がある、この地点から離脱したところに、デジタル辞書の未来は、どんなものになるのであろうか。

限られた質疑の時間のなかであったので、上記のことの半分ぐらいしか話せなかった。次の研究会は、来年の6月。発表を申し込んでみようか、どうしようか、いま思案中である。

第114回の訓点語学会2016-05-24

2016-05-24 當山日出夫

5月22日は、京都大学文学部で、第114回の訓点語学会。このごろ、日本語学会の方はさぼりぎみであるが(会費は、はらってはいるが)、訓点語学会だけは、出るようにしている。

会員数は減少傾向にあるらしい。それでも、400名ちかくの会員がいる。学会としては、小規模な方だろうが、研究発表会に出席する立場としては、これぐらいの規模の学会がちょうどいい。

規模が大きくなりすぎると、研究発表会の会場が分かれてしまうことがある。それに懇親会に出ても、人が多すぎて、困惑する。

で、今回の訓点語学会であるが……私個人の興味としては、なかなか興味深かった。特に文字(漢字・仮名)についての発表があった。

最初の発表、略字「仏」の使用拡大と位相(菊地恵太)。
文字(漢字)についていえば、文字の「位相」というのをどう考えるかという論点がある。この点については、すでに、笹原宏之の研究がある。今回の発表についてみるならば、質疑の時にも指摘されていた観点として、漢字が使用されるとき、仏教語として使われているのか、あるいは、そうではない、漢籍の中で使われているのか、これを考えてみないといけないだろう。そのうえで、漢字の字体の異同を考えることになる。

それから、字体と字種との区別から見た篆隷万象名義の重出字(李媛)。
同じ漢字とは何か、という観点。字書のデータベースを作って、同じ文字コード(ユニコード)になる字、という方向で「同じ字」(重複字)を定義していた。これに対して、私が質問したのは、「たとえば、IDSで同じ記述ができる文字を同じと認定することはできないか。さらには、同じ文字コードになる、同じIDSになるといっても、それだけで、同じ漢字が認定できないならば、何か超越的な観点を導入して、この文字とこの文字は同じである/ちがう、という判断をくだすことになるのではないか」と、言ってみた。

最後の仮名の字体について。階層構造としての仮名字体(石塚晴通)。
これは、発表というよりも、問題提起として理解しておいた方がいいだろう。漢字については、書体・字体・字形・字種、といった議論、あるいは、定義が可能である。では、仮名(平仮名・片仮名)については、どうであろうか。漢字と同じように、書体・字体というような階層構造の定義ができるであろうか。

この論点については、これから、私自身、いろいろと考えていかなければならない課題であると思っている。考えたこと、ある程度まとまりそうなら、順次、このブログでも書いていってみたいと思っている。

日本歴史言語学会のプログラム2011-10-28

2011-10-28 當山日出夫

さて、12月はいろいろと用事がある。「じんもんこん」シンポジウムの翌週になるが、どうしようか。東京外国語大学では、

国際シンポジウム「字体規範と異体の歴史」

がある。が、同時に、日本歴史言語学会も、大阪大学で開催である。見てみると、プログラムが発表になっている。

http://www.jp-histling.com/Pages/default.aspx

このHPの「大会案内」から、プログラム(PDF)にリンクしてある。

あまり、家を留守にするわけにもいかない時期であるのだが、さて、どうしようかと、今から、考えるのである。

當山日出夫(とうやまひでお)

日本歴史言語学会2011-05-24

2011-05-24 當山日出夫

この前の日曜日(22日)は、訓点語学会(京都大学)。で、土曜日(28日)は、日本語学会(神戸大学)。ということで、ちょうど中間の時期である。で、以前、このブログに書いたままになっていた、日本歴史言語学会、思い出して、入会の申込書を送信しておいた。

現在のHPは、

日本歴史言語学会
http://jshl.sharepoint.com/Pages/default.aspx

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日本歴史言語学会設立総会・第一回大会次第(暫定)
時 2011年 12月 17日(土)~12月 18日(日)
於 大阪大学 豊中キャンパス(会場未定)
http://www.osaka-u.ac.jp/ja/access/

暫定プログラム

2011年 12月 17日(土)
13:00~14:30設立総会
14:45~15:00第一回大会開会の辞
15:00~17:00設立記念シンポジウム
18:00~20:00懇親会

2011年 12月 18日(日)
10:00~17:00研究発表会
(12:00~13:00昼食休憩)
17:00閉会の辞

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ということらしい。12月、じんもんこんシンポジウムなど、いろいろ行事のある時期であるが、出席の方向で考えておくことにしよう。

當山日出夫(とうやまひでお)



公開講座「被災ミュージアムの支援と危機管理対策」2011-04-28

2011-04-28 當山日出夫

以下のような集会があるので紹介。

http://www.mcdn.jp/2011/04/blog-post.html#savejapanmuseum

プログラムだけ転載させていただく。

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第2回 4月30日(土) 15:00~17:00
海外の危機管理に学ぶ  被災ミュージアム復興の課題

・被災文化施設の最新報告と課題
山村真紀(ミュージアム・サービス研究所)

・ドイツ・ドレスデン国立美術館の水害被災と諸外国の危機管理対策
岩渕潤子(慶應義塾大学大学院政策メディア研究科特任教授)

・被災したミュージアム支援のために
南條史生(森美術館館長)

・被災ミュージアムの復興支援と危機管理対策
鈴木隆敏(慶應義塾大学大学院アートマネジメント分野講師)

・特別講演「震災復興の基軸は文化と芸術」
近藤誠一(文化庁長官)

【コーディネーター】
鈴木隆敏(慶應義塾大学大学院アート・マネジメント分野講師)

【会場(両日とも)】
慶應義塾大学三田キャンパス421教室(南校舎2階)

【入場料】
入場無料 予約不要

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當山日出夫(とうやまひでお)

日本史研究会:大規模自然災害から京都の地域歴史遺産を守る2011-04-22

2011-04-22 當山日出夫

日本史研究会で、以下のようなシンポジウムがある。

シンポジウム
「大規模自然災害から京都の地域歴史遺産を守る―東日本大震災の歴史資料保全活動から考える―」

日時:2011年4月23日(土) 13:00~17:00
場所:機関紙会館5階大会議室

詳細は、以下のURL、

http://www.nihonshiken.jp/regular-meeting/135-201104regular.html

當山日出夫(とうやまひでお)