自分の名前の読み方を書け2008-02-04

2008/02/04 當山日出夫

なんだかんだとしているうちに、ARGの307号が出てしまったが、これについては明日以降に。

私が、学生に、レポートの書き方を教える、という場合に、「自分の名前の読み方を記しておきなさい」と、かならず言う。

第一に、教員にとって便利。たいてい、学籍名簿・履修者名簿などは、学生の読み方順にならんでいる。学籍番号の数字だけでは、探しにくいときでも、読み方が分かると、比較的簡単に見つかる。これは、出席の整理や、最終的に成績をつけるときに、非常に役立つ。

第二に、自分から名前の読み方をしめすのは、基本的マナーであろうと、思うから。紙に書いたものによるコミュニケーションでも、読み方の分からない名前があると、どうしても、気持ちの中にひっかかるものがある。

例えば、こういう。「もし、君が、卒業して、就職して、営業の仕事を担当するとなった場合、まず、気をつけなければならないのは、お客様には、かならず「さま」と敬称をつけること、そして、決して、名前を読みまちがえないこと、である。読み間違えたら、すぐに、謝る必要がある。」

また、「人間同士のコミュニケーションにおいて、名前を読み間違えた場合、間違えられた当人よりも、間違えて読んでしまった人の方が、気まずい思いをするものである。難読人名の人は、たいてい、間違えられることに慣れているから、さほど気にしないかもしれない。しかし、円滑に、コミュニケーションするためには、まず、自分から、自分の名前の読み方を、示す。そのうえで、相手の名前の読み方を確認する……どのようにお読みするのですか?……と、たずねることになる。これがいい。」

記入の方法は、いろいろ。これは、学生の自主的な判断にまかせる。ひらがなで( )の中にいれてもよいし、ローマ字で書いてもよい。ローマ字で書くときにも、いろんな方式があるが、自分ではこれで書くという方針を決めておいた方がよい。

人名の読み方について、韓国や中国の人になると、困惑する。「李」さん、「金」さんは、どう読むのが、「政治的に正しい」のか。これは、本人に確認するのが、一番。というより、これしか方法がない。

とことろで、私の名前「當山」であるが、難読人名の一種かもしれない。この名字は、沖縄ではありふれている。が、本土では、きわめてまれ。ただし、私の親類縁者に沖縄関係の人間はいない。

また、常用漢字になおして「当山」と書ける人も、数少ない。「澤・沢」ほどポピュラーではない。「当山」と書いてくる人は、漢字をよく知っている人に限られる。

當山日出夫(とうやまひでお)