デジタル化データの寿命(その2)2008-02-28

2008/02/28 當山日出夫

以前、2008年2月9日に、デジタル化データの寿命として、書いている。

http://yamamomo.asablo.jp/blog/2008/02/09/2613654

これは、現在の市販のDVDディスクの、物理的な寿命、いいかえれば、モノとして、何年もつか、ということについてのものであった。

しかし、デジタル化データの寿命は、メディアのモノとしての寿命とは別に、規格としての寿命もある。最近、東芝が、HD-DVDからの撤退を表明した。結果的には、ソニーなどのブルーレイが勝ったことになるのだが……やはり問題は、残る。

モノとして残ったとしても、デジタルデータは、その記録メディアにアクセスできなくなったら、もう終わりである。私自身が経験している範囲でも、FD(フロッピーディスク)がある。いま、すでに、3.5インチ規格が、風前のともしびという状態。もう、5インチとか、8インチ、の古いディスクになると、はっきり言って、死んだも同然。

このことは、デジタル記録に限らない。音にかんしていえば、レコード、テープレコーダー(オープンリール)、いったいいつまで、再生可能であろうか。その劣化対策として、デジタル・メディアに移したとしても、いずれ、そのデジタル・メディアも消え去っていくであろう。このあたり、かなり悲観的にならざるをえない。

このようなことは、やはり、アーカイブにかんする人たちの間でも、問題になっているらしい。

日本のアーキビスト blog版で、見つけた。

ディジタルアーカイブの長期利用に関するシンポジウム

2008年3月14日 筑波大学・春日キャンパス・情報メディアユニオン

http://archivists.cocolog-nifty.com/

http://www.kc.tsukuba.ac.jp/index_das08.html

デジタル・ヒューマニティーズ(人文情報学)が、デジタルで記録されたデータに依拠する限り、デジタル・アーカイブのそのプラス面だけを見ているわけにはいかない。

結論としては……やはり、紙、かもしれないし、あるいは、文化の中での伝承、ということになるのかもしれない。結論を急ぎすぎたようである。折りにふれて、考えていきたい。

當山日出夫(とうやまひでお)

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