『ARG』324号 ― 2008-05-26
2008/05/26 當山日出夫
ARGの324号につき、いささか。
まず、当面の私の課題からいうと、「アーカイブ」についての記事。
●NHKアーカイブスカタログ
http://d.hatena.ne.jp/arg/20080429/1209477014
についてのものである。ことの是非は別にして、日本語のなかに、「アーカイブ」(NHKの場合は、アーカイブス)という用語が、定着するようになった、最も重要なきっかけは、NHKにある。
おそらく、それが社会に広まる過程のなかで、いつのまにか、「デジタル・アーカイブ」の語がうまれたのだろう……と思っている。(一応、日本語の歴史を専門にしている以上は、このあたりの語史・語誌をきちんと記述すべきであるが。)
それともうひとつ
●函館市図書館の事例
1. 旧市史編さん室のページの統合
2. 「函館市史」デジタル版の拡大
3. 函館地域の古地図の公開
これらの事業は、「アーキビスト」の立場の人たちから言わせれば、「文書館・資料館(アーカイビスと)」」の関わる領域であって、「図書館(ライブラリアン)」の関与するところではない、ということに、基本的になろうかとおもう。
しかし、一般の利用者から見れば、ある文書や資料(史料)が、どこにあるか。また、函館の歴史について書かれた本がどこにあるか……について、図書館と文書館・資料館を区別しなければならない、必然性はない。
この函館市の事例は、今後の、
デジタルアーカイブ
デジタルライブラリ
デジタルキューレーション
デジタルドキュメンテーション
デジタルミュージアム
デジタルファクシミリ
などの、用語・概念を、連携していく(統合とまではいわないが)の、よい事例になるのではなかろうか。
それから、CH78研究会について、厳しい批判も書かれているが、(立場上、こういうのもやや気が重いが)、同感である、としか言いようがない。これについては、CH研究会の個人的なまとめとして、追って、書いていきたい。
當山日出夫(とうやまひでお)
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