『全国まずいものマップ』2009-02-17

2009/02/17 當山日出夫

清水義範.『全国まずいものマップ』(ちくま文庫).筑摩書房.2009

すでに刊行の、『猿蟹合戦とは何か』『インパクトの瞬間』に続く、「清水義範パスティーシュ100」のひとつ(3巻目)。順に、「一の巻」「二の巻」「三の巻」・・・「六」までつづく(らしい)。

それほどコアな清水義範ファンというわけではないが、『蕎麦ときしめん』以来、かなり読んできていることは確か。で、思うことは、次の二つ。

第一に、同じ時代に生きていてよかった、と思う。でなければ、「二の巻」の「インパクトの瞬間」のTVのCMを素材とした作品を、リアルに理解できない。また、最新の「三の巻」の「オッデュッセイア」の次のような記述、

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闘神モハンマドスとアントニーは、かつて見た者すべてが思わず金返せ、と言いたくなるような勝負をしたことのある仲だった。(p.294)

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わかる人は瞬間的に笑ってしまう、これを説明したら、何のおもしろみもない。いや、当時の雰囲気を知らないと、わからない。説明して、どうのこうのということではない。

だが、これに類することは、各世代によって、それぞれにあることだろう。ここでは、清水義範と同時代に生きてきた人間の特権としておこう。

第二に、「ことば」による表現・コミュニケーションの本質にせまっていると感じること。これについては、それぞれの作品ごとに書きたいことがある。それは、とりあえず、「六の巻」まで終わってからのことにしよう。

當山日出夫(とうやまひでお)

コメント

_ もろしげき ― 2009-02-17 20時27分30秒

世紀の凡戦ってやつですな (^_^;;

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