「ことば」と「言語」2009-04-25

2009/04/2 當山日出夫

今日から、アーカイブズ学会。

途中、駅で買った本。

田中克彦.『ことばとは何かー言語学という冒険ー』(講談社学術文庫).講談社.2009(オリジナルは、2004、筑摩書房)。

私もふくめておおむね言語にかかわる研究者は、「言語」というか「ことば」という(書く)。あまり「言葉」の表記はしない。このあたりのこと、田中克彦さんなりの、説明がある。

単なる習慣といえばそれまでである。だが、このあたり、言語を専門とする人と、そうではない分野の人との、「言語」「ことば」についての、感覚の違いがある。

ただ、ここで確認しておかねばならないのは、言語の研究者の言語・ことばに対する意識の問題であって、それが、正しいということではない、ということである。

言語史と言語学史は違う、田中さんは書いている。ならば、文字史と、文字学史も違うだろう。つづきは、追って、我が家にかえってから。

當山日出夫(とうやまひでお)

アーカイブズ学会の初日終了2009-04-25

2009/04/25 當山日出夫

今日は、アーカイブズ学会(学習院大学)の一日目。さきほど、懇親会が終わって、宿について、ひとやすみしたところ。

感想をすこし。

講演会での、菊池光興さん(国立公文書館)の講演。非常におもしろかった。タイトルは、

国民にひらかれた国立公文書館の構築ー改革の軌跡と今後の展望ー

話のなかでのエピソード。憲法制定を記念しての展覧会のとき。小学生ぐらいの子供をつれた女性が来館。そして、子供に、「日本国憲法」の展示の前で、話してきかせている……という光景。これこそ、公文書館の本来の姿である。

これには、同感。えらい学者のセンセイや、研究者に資料を見せるだけが、公文書館の仕事ではない。一般市民の生活の中に、アーカイブズは存在しなければならない。

ほかにもいろいろ興味深い、国立公文書館についての話が聞けた。

それから、懇親会。知った人も何人かいたが、やはり、人脈の壁を感じるところがあった。CH研究会、じんもんこん、などと、まったく集まる人の顔ぶれが違う。それぞれ、間接的には、誰か人を介せば、共通の知人はいるにちがいない。

MLA連携という。私の場合、それに「D=デジタル」を追加して、MLA+D、と言いたい。これは理念としてはあっても、まずは、相互に実際にあって話をしてみて、ということから始めなければならない。この観点からは、アーカイブズ=学習院大学、というイメージが固定してしまうのは、よくないと思う。アーカイブズは、社会のなかで、多方面に開かれた存在であるべきだろう。

それから、懇親会のとき、文学館研究の岡野さんに会えたのうれしかった。文学館のデータベース、「MLA+D」を考えるのに、もっともふさわしいテーマだと思う。これを機会に、今後の活躍に期待したいと思っている。

東京に来て、渋沢財団も、行ってみたいところの一つである。が、今日の午前中は、靖国神社の遊就館に行ってきた。これについては、書きたいことがたくさんある。だが、これは、後で、我が家に帰ってからのことにしよう。

當山日出夫(とうやまひでお)