祖霊2009-08-15


2009-08-15 當山日出夫

私の知見の範囲において。祖霊信仰、ご先祖様、というのは、「日本」のふるくからのしきたりである。ご先祖様に、固有名詞はない。いや、なくなる、といった方がいいだろう。

しかし、いまの時代、固有名詞をもってして、「神」として祭祀する神社がある。「近代」の「日本」になってから「招魂社」、現在の「靖国神社」。

まさに、ご先祖様(固有名詞がとけてなくなった)をまつる盂蘭盆会の時期、政治家の誰が参拝する/しない、で議論すること自体に、なにかしら、むなしさ、あるいは、おろかしさ、を感じる。

靖国神社が、国家における英霊祭祀の場としてふさわしいかどうかは、議論のわかれるところであろう。だが、鎮魂の場であることは確かである。せめて、今日(8月15日)ぐらいは、そっとしておくのが、祭祀としての礼節であるように思う。

固有名詞を持たない「ご先祖様」と、固有名詞を特定された「英霊」。さて、どうしたものか。このさきの時間にゆだねる、というのもひとつの考え方であろう。

ついでに、『軍艦武蔵』(新潮文庫)、本屋さんに行っている時間が無いので、オンライン書店で注文。来ない。さて、どうしよう。

當山日出夫(とうやまひでお)