図書館は本を棄てるな2009-10-20

2009-10-20 當山日出夫

twitterの図書館関係、出版関係で、話題になっている。

#metrolib

ポット出版からの情報
http://www.pot.co.jp/asayake/20091017_221422493914656.html
朝焼けの図書館員
救いたい!

以下、一部引用

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10/9(金)に、東京都立中央図書館から都内各自治体の図書館長宛にFAXが送信された。
実際に直接そのFAXに目を通してはいないので詳細は不明ながら、斎藤さんの話から内容をまとめると、概ねこんな感じであった。

・多摩図書館が所蔵していた多摩地域資料約7万冊と雑誌など併せて、 計約8万冊を処分することにした。

・引き取りたい館は、10/23(金)までに直接取りにくること。

通達から2週間ということは、図書館の稼働日で言えば約10日間。
引き取る側の負担で取りに行くのだから、当然費用がかかる。
各市区町村立図書館が引き取りを決断し、役所と予算流用とか補正予算とかの話をつけようとしても、図書館と役所の稼働日が普通はズレている上に、この間に運悪く体育の日が入っているので、調整には恐らく2~3日しか猶予がないだろう。
しかも何万冊を引き取るには運送業者の手を借りざるを得ないだろうから、そちらの手配も厳しいだろうと思う。

これでは、廃棄する前提でアリバイとしてFAXを流しただけと解釈されても仕方ないだろう。

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アーカイブズの理想を忘れるな!

みずからが みんなのために みらいにむけて

地域資料など、将来、「みらい」の「みんな」の貴重な財産である。MLA連携にむけて、現実の問題もあるが、理想をわすれてはならない。

當山日出夫(とうやまひでお)

グーグルとアメリカ政府のデジタル戦略2009-10-20

2009-10-20 當山日出夫

これも、もとは、twitterから。

日経デジタル・コア
【ネット時評 : 城所岩生(国際大学GLOCOM)】
グーグル和解問題に見る米国のしたたかな国家戦略
http://www.nikkeidigitalcore.jp/archives/2009/10/post_208.html

この記事を見ると、政府レベルでは、アメリカは、完全にデジタルの方向にむかっていることが、理解できる。基本路線として、グーグルブックサーチをみとめるとして、では、それを、どのように承認していくか、そのプロセスをさぐっているようにさえも思える。

これにくらべて、我が国は……と、やはり、こころもとない。政府レベルでの大規模デジタル化、どうなるだろうか。

公共事業は、その事業の結果としてできたものを使うひとのためにつくる。作るひとのためだけ(ざっくばらんにいえば、建設業者とか)の、目先の利益と、すぐに結果のでる効果だけをねらってのものではないだろう。

といって、建設業を否定するのではない。その建物や道路を本当につかうひとが、しあわせになれるようなものをつくるべきだ、ということ。

で、もとにもどって、グーグル。国家規模での、大規模デジタル投資が必要だろう。それにむけての法整備も……というと、じゃあ、それにむけて「議論」しましょう……となる。議論はもういい、まず、動き出すことだ、と敢えて言っておきたい。

未来のために、デジタル資産(Digital Cultural Heritage)を残そう。

當山日出夫(とうやまひでお)

本は地域にあるべき2009-10-20

2009-10-20 當山日出夫

多摩図書館の件、

ブログ:図書館学徒未満
多摩図書館の件
http://d.hatena.ne.jp/aliliput/20091020

に、ある都議会議員からの回答が掲載になっている。読んでみて……気になるのは次の箇所。

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今回多摩に保存してあった約15万冊の行政資料・地域資料(都・区・市町村に関するもの)を都立図書館に集約した結果、約75,000冊がダブっていたため、
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この「行政資料・地域資料」というのは、具体的にどのようなものなのだろうか。75000もダブるというのは、いったいどのような書籍・資料なのだろうか。

書庫がない……そうかもしれない。しかし、個人で、万の蔵書があるような人間はざらにいる(たぶん、私の蔵書も万にはおよばないかもしれないが、かなりある)。75000といえば、大量のようだが、ちょっとした蔵書家、7~8人分ではないか。この程度の分量の本を所蔵することもできないのか。

むかし、ならったある先生。個人でも1万冊の本をもっている。大学の図書館は、50万冊と言っている。個人・大学で、たった、50倍の差しかない、と。これは単に量・冊数の問題であるが、収納スペースからすれば、これはたいした問題ではない。

そうはいっても、一般の書籍ではないだろう。「行政資料・地域資料」という以上は、その地域で、責任を持って保存するのが、もっとも正しいとおもうのである。

當山日出夫(とうやまひでお)