NHKクリエイティブ・ライブラリー2009-10-31

2009-10-31 當山日出夫

これも、Twitterで知った。narrensteinさん。

NHKクリエイティブ・ライブラリー
http://cgi2.nhk.or.jp/creative/cgi/page/Top.cgi

「見る」NHKから、「使って、つくる」NHKへ

とある。NHKの番組から、映像として「フェアユース」として利用可能なものを、提供する、と理解すればいいだろう。利用規程は、もちろんある。

二次的な加工は可能、となっている。これは、非常に素晴らしい。多くの、いわゆるデジタルアーカイブが、アカデミックな利用のみ、しかも二次加工を許さない、見るだけ、という例が多いなかでは、異色の存在であり、有意義である。

商業目的での利用禁止、これは、現時点ではやむをえないか。しかし、これを突破口にして、NHKがその映像資源を商品として売る、というビジネスも、成立するかもしれない。私は、むしろ、この可能性に期待したい気がする。

社会のなかで、ある文化資源が有効活用されること、これは、その市場が存在すること、それによる経済活動が活発におこなわれることと、つながる。アカデミック利用のみというデジタルアーカイブが、実は、市場の活性化につながらない、極端にいえば、その分野を抑圧してしまう……このような事態が、おこりうる。

たとえば、どんな「学術書」でも、書店・出版社・印刷会社にとっては、「商品」である、このような視点も重要である。デジタルアーカイブが学術利用だけと言いながら、一方で、学術出版不況をなげく、これは、何かおかしいと私は思う。社会全体として、市場の活性化、これが基本だろう。そのなかでこそ、学問も社会のなかで存在意義がある。

當山日出夫(とうやまひでお)