『ARG』413号の感想 ― 2010-02-08
2010-02-08 當山日出夫
『ARG』413号の感想を少し。少し書こうと思っても、今回の号は、インタビューが二つもある。さて、どちらからにしようか……
で、まずは、前回のつづきで国会図書館(倉重さん)の方から。気になったところとしては、国会図書館内部が長尾館長を中心にずいぶんと自由闊達な動きができる組織だな、ということ。この基盤があったからこそ、d-laboでの連続対談が実現できている。このことがまず。
次に、ナルホドと思ったのは、次のような箇所、
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あと、国立国会図書館自身が、コンテンツをつくって発信するということができるようにしたいと考えました。そうでないと、単なる古文書館になってしまうと思ったので……。もちろん、古文書をばかにしているわけではないですよ。ただ、国立国会図書館の存在にもっとリアルタイム性を持たせたかったのです。国立国会図書館は100年後にデータを提供できればいい、というのは嫌だった
のです。
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アーカイブズ(文書館)は、「のこす」ことに価値を見いだすとするならば、ライブラリ(図書館)は、「いま、つかわれる」ことに価値がある、と理解していいだろうか。MLA連携というとき、このところの、基本の価値観(その違い)をふまえておかなければならないだろう。ただ、デジタルの検索機能で、横断検索できればいいというものではない、と言える。
それは、次の発言にも顕著に見てとることができよう、
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そうですね。ためているだけだと本で言えば死蔵冊数が単純に増えることになりかねなくて。データベースに格納された1つ1つのコンテンツだけではなくて、データベース自体、まるごと使うがゆえに提供できるサービスがあったらいいなと。たとえば、データベースが様々な統計的操作を受け付けるようにするとか。操作するためのプログラムは誰もが開発できて、配布しても商品として販売してもよくて。正確には、そういうことを可能にするインフラというか。
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ここで出てくる「インフラ」ということば。前回のインタビュー(原さん)につながる。ここで「インフラ」ということばが出てくるのは、偶然ではないだろう。リアルにおいても、WEBにおいても、デジタル・ライブラリ構想においても、日本の中核たる国会図書館だからこそ、出てくることばだと思う。
それにしても、はやく、d-laboの連続対談、本にしてほしいと思うのである。
當山日出夫(とうやまひでお)
『ARG』413号の感想を少し。少し書こうと思っても、今回の号は、インタビューが二つもある。さて、どちらからにしようか……
で、まずは、前回のつづきで国会図書館(倉重さん)の方から。気になったところとしては、国会図書館内部が長尾館長を中心にずいぶんと自由闊達な動きができる組織だな、ということ。この基盤があったからこそ、d-laboでの連続対談が実現できている。このことがまず。
次に、ナルホドと思ったのは、次のような箇所、
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あと、国立国会図書館自身が、コンテンツをつくって発信するということができるようにしたいと考えました。そうでないと、単なる古文書館になってしまうと思ったので……。もちろん、古文書をばかにしているわけではないですよ。ただ、国立国会図書館の存在にもっとリアルタイム性を持たせたかったのです。国立国会図書館は100年後にデータを提供できればいい、というのは嫌だった
のです。
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アーカイブズ(文書館)は、「のこす」ことに価値を見いだすとするならば、ライブラリ(図書館)は、「いま、つかわれる」ことに価値がある、と理解していいだろうか。MLA連携というとき、このところの、基本の価値観(その違い)をふまえておかなければならないだろう。ただ、デジタルの検索機能で、横断検索できればいいというものではない、と言える。
それは、次の発言にも顕著に見てとることができよう、
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そうですね。ためているだけだと本で言えば死蔵冊数が単純に増えることになりかねなくて。データベースに格納された1つ1つのコンテンツだけではなくて、データベース自体、まるごと使うがゆえに提供できるサービスがあったらいいなと。たとえば、データベースが様々な統計的操作を受け付けるようにするとか。操作するためのプログラムは誰もが開発できて、配布しても商品として販売してもよくて。正確には、そういうことを可能にするインフラというか。
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ここで出てくる「インフラ」ということば。前回のインタビュー(原さん)につながる。ここで「インフラ」ということばが出てくるのは、偶然ではないだろう。リアルにおいても、WEBにおいても、デジタル・ライブラリ構想においても、日本の中核たる国会図書館だからこそ、出てくることばだと思う。
それにしても、はやく、d-laboの連続対談、本にしてほしいと思うのである。
當山日出夫(とうやまひでお)
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