『ARG』417号の感想2010-03-09

2010-03-09 當山日出夫

『ARG』417号について、すこし。発行部数が、さらに前号より増えている。もうじき、5000に達するのではなかろうか。現在、4968部。

国立国会図書館若手連続インタビュー(5)
「立場を踏まえ怖がらないで外部発信-大貫朋恵さん」

気になったやりとりを一箇所だけ引用すると、

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◇-岡本:
あと、レファレンス協同データベースで言えば、図書館に閉じない方向に進む
と面白いですね。昨年の秋に大阪で開催された大阪府公共図書館大会で、大阪
市自然史博物館の方が、レファレンス協同データベースの可能性と課題を指摘
されていたのが印象的でした。
自然史博物館にも図書館で言うところのレファレンスにあたるような様々な質
問が寄せられる。レファレンス協同データベースは博物館も参加できていいの
ではないか、と。

◆-大貫:
なるほど、現在は、博物館図書室の参加もありますが、あくまで「図書館」と
しての参加ですね。
先日、外部の有識者の方から、レファレンス協同データベースに収録されてい
る「特別コレクション」(各図書館で所蔵している貴重書や個人文庫などに関
する情報)をもっと見直すべきかもしれない、というご意見をいただいたので
すが、たとえばそんなところでも連携ができると面白いのかもしれません。

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これは、いわゆるMLA連携にあたる。M(博物館・美術館)にも、専門の図書館をもっている。また、L(図書館)においても、その業務記録(アーカイブズ)は必然的に発生する。

この方向をふまえて、後述の、「デジタル情報資源ラウンドテーブル」になる、と私は理解する。いまのところ、デジタル化という点では、図書館(L)が、他に一歩さきんじているということは確かである。しかし、その有効な利用のためには、基礎として「アーカイブズ」の発想が必要である。また、博物館・美術館との連携もかかせない。

特に、上述に引用の「特別コレクション」になると、たまたま所有しているのが、図書館であったり、博物館・美術館であったり、文書館・資料館や大学であったり、というだけの偶然的な要因がある。ここは、相互の柔軟な連携が必要になる。

情報は発信するところに集まる……であるならば、MLA連携についても、まずそのことについて情報発信するところに、各種の情報があつまってくる。この意味で、最近の、国立国家図書館の一連のシンポジウムなどのとりくみは、きわめて貴重であるといえよう。

當山日出夫(とうやまひでお)