小書きの仮名は別の文字なのか2016-09-19

2016-09-19 當山日出夫

これは、別のところにすでに書いたことなのだが、日本語(それから、アイヌ語)の表記でもちいる、小さい仮名……これは、別の文字なのであろうか。

たとえば、




どう見ても、同じ字体であるとしか判断のしようがない。ただ、違うのは大きさである。大きさの違いというのは、文字の属性(字体とか書体とか)とどのように関係するのであろうか。

一つの考え方としては、コンピュータによる情報交換用の文字であるから、あらかじめ大きさの違う文字として設定しておかなければならない、という考え方があると思っている。つまり、文字としては同じであるが、ただ、その用法として、小さく表記するだけのこと、ということになる。

だが、その一方で、別のコードを付与している文字である、ということは、別の文字であると認定している……このように考えることもできる。

この小書きの仮名、日本語においては、「0208」では、

ぁぃぅぇぉ

ゃゅょ


ァィゥェォ

ャュョ

ヵヶ

がある。それが、「0213」では、ちょっと追加になって、

ゕゖ

ㇰㇱㇲㇳㇴㇵㇶㇷㇸㇹㇺㇻㇼㇽㇿ

になる。上記のうち、「0213」で追加の片仮名はアイヌ語表記用である。
なお、このうち「ㇷ」は、半濁点つきになる。ユニコードでは、合成で示すことになっている。

さて、これはどう考えればいいのであろうか。別の文字と認定するのか、同じ文字で大きさが違うだけのものと認定するのか。はっきりいってよくわからないというのが正直なところである。これを、「異体字」として考えるわけにはいかないようにも思える。

このことについては、表記研究会のときに研究会にあつまった人の意見をきいてみたいと思っている。

追記 2016-09-21
アイヌ語の仮名(小書き)、厳密にみれば、「フ」「プ」とある。JIS規格には両方あるのだが、ユニコードには、半濁点の「プ」ははいっていない。

追記 2016-09-23 このつづきは
小書きの仮名は別の文字なのか(その2)
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2016/09/23/8197498

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