『おんな城主直虎』あれこれ「虎松の首」2017-08-08

2017-08-08 當山日出夫(とうやまひでお)

『おんな城主直虎』2017年8月6日、第31回「虎松の首」
http://www.nhk.or.jp/naotora/story/story31/

前回は、
やまもも書斎記 2017年8月1日
『おんな城主直虎』あれこれ「潰されざる者」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2017/08/01/8636993

今回は、ネコが登場していなかったが、しかし、ネコがおとなしくしてないているような場面のある展開でもなかった。

結局、今は子供の虎松が、将来、直政になることはわかっている。それは、NHKの番組HPの登場人物のところにそう出ている。だから、虎松が無事であるということは、あらかじめ分かっていることである。とはいえ、虎松の運命をめぐって、急激な展開であった。

やはり気になるのは、井伊というイエと、井伊谷という土地へのパトリオティズム。ドラマは、このところ、井伊谷の村の人びとの生活の様子を描かなくなっている。どうやら、井伊谷という土地へのパトリオティズムは、消えているかのようである。

それにかわってあるのが、井伊というイエ。井伊の一族であり、組織である。ある人びとの集団といってもいいだろうか。その井伊のイエをどうまもりぬくかが、今の直虎にとっての、そして、また、政次にとっての最大の課題である。

そのためには、井伊谷の土地から離れてしまうことも、あえて辞さない。大事なのは、井伊のイエである。

今川の支配下にあるといっても、今川に忠誠心があるわけではない。これは、徳川についても同様だろう。少なくとも、直虎の段階では、井伊のイエの生き残り戦略として、徳川と手を組むということを選んだ。たぶん、これが、次の世代、直政(虎松)の時代になると変わってくるのかもしれない。徳川のもとにある井伊という存在を描くことになるのかと予測するが、どうだろうか。

戦国時代の、家臣団はどのような関係でその人間が結びついていたのだろうか。このあたりが興味のあるところである。井伊谷を追われた直虎たちにとっては、家臣に与える土地も俸禄もない。では、その井伊のイエの家臣団の結びつきは、何を基本にしているのだろうか。井伊のイエの一族であるという意識だけなのであろうか。

このあたりの戦国武将、国衆の、家臣団のまとまりとなるエトスをどのように描くか、気になってみている、すくなくとも、このドラマでは、中核となる井伊のイエの一族の結びつきを、きわめて強固なものとして描いている。

さて、その滅亡寸前においこまれた井伊のイエが次回は、再起するらしい。どのような展開になるか楽しみに見ることにしよう。
追記 2017-08-15

この続きは、
やまもも書斎記 2017年8月15日
『おんな城主直虎』あれこれ「復活の火」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2017/08/15/8646867

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
このブログの名称の平仮名4文字を記入してください。

コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://yamamomo.asablo.jp/blog/2017/08/08/8642285/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。

_ Coffee, Cigarettes & Music - 2018-02-24 19時02分20秒

皆さんこんばんは。今回は去年の大河ドラマ『おんな城主直虎』の第31~35回の感想です。まずはあらすじ。今川家から井伊谷領内への徳政令を受け入れるように要求された井伊直虎(柴崎コウ)だが、小野政次(高橋一生)の策を受け入れ、徳政令を受け入れるとともに井伊谷城を