訓点語学会に行ってきた2017-10-26

2017-10-26 當山日出夫(とうやまひでお)

10月22日は、第117回の訓点語学会。東京大学で開催。ちょうど台風がきていて、どうなるか心配ではあったのだが、宿も予約してあることだしと思って、行ってきた。

午前中に聞いておきたい発表……『白氏文集』の漢字音についての発表……があったので、前日から行く。『白氏文集』の漢字音、特に、神田本の声点については、私が、その索引(漢字索引、訓読文索引)をつくったことの延長として、調べて学会発表して、論文に書いたことである。私の初めての訓点語学会での発表である。

頑張って調べたという発表ではあるが、やはり、『白氏文集』をあつかう上では、その本文の系統が、旧鈔本系か、版本系か、ということは、おさえておいた方がいいだろうと思った。(このことについては、質疑の時に発言しておいた。)

それから、神田本白氏文集の声点は、均一にはつけられていない。かなり意図的に、文字を選んでつけてある。このことは、「訓点語と訓点資料」に論文として書いたことである。(このことも、質疑で言っておいた。)

午後から、韓国の口訣学会からの招待研究発表。これは、面白かった。韓国に残っている訓点資料、口訣資料について、どのような資料が残っていて、どのような方法で研究するのか、その実際の研究者の発表を聞くことができたのは、非常に勉強になった。しかも、発表が、日本語で話をしてくれて、レジュメも日本語で書いてあったので、わかりやすかった。

日本の訓点語学会と、韓国の口訣学会は、これを出発点として、これからも、相互に国際交流をつづけていくことになるらしい。これはこれとして、きわめて喜ばしいことである。日本から、これからの若い人が韓国に行って発表することになる。また、韓国の研究者の発表を日本にいて接することもできる。これは、この分野の研究にとって、重要な意味のあることだと思う。

折悪しく台風がきていたので、懇親会(山上会館)もちょっと早めに切り上げることになった。また、二次会も行くには行ったが、店が早くしめてしまうということなので、そう長くいることはできなかった。かるくハイボールなど飲みながら、ちょっと話をして宿に帰った。

水道橋に宿をとってあったので、雨が降っていたが、歩いて帰った。電車に乗ったりするより、その方が早い。

翌日は、台風の影響で新幹線が少し乱れていたが、とにかく、午前中に東京を出て、昼を京都ですませて、家にかえった。我が家は、台風の影響で木の葉が散ったりしてはいたが、そう被害がなくてよかった。