『わろてんか』あれこれ「われても末に」2017-12-17

2017-12-17 當山日出夫(とうやまひでお)

『わろてんか』第11週「われても末に」
https://www.nhk.or.jp/warotenka/story/11.html

前回は、
やまもも書斎記 2017年12月10日
『わろてんか』あれこれ「笑いの神様」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2017/12/10/8745679

この週も、見どころは、団吾、団真、お夕、この三人のドラマであった。

本来のこのドラマの筋……てんと藤吉の物語……からすれば、傍流に位置することになるのだろうが、先の週からこの週にかけては、この傍流の物語が、実に好かった。

放蕩無頼に生きるように見えて、芸への精進を怠らない団吾、その生き方は刹那的でもある。生け花のシーンがよかった。そして、芸の才能があるのかないのかよくわからないが、しかし、どことなく人間味があり苦悩する団真。さらには、この二人の男性の間にあって、哀切きわまりない心情を見事に演じていたお夕。この三人のドラマは、好かったと思う。

それに比べると、てんと藤吉の夫婦は、まるでコントである。万丈目たちの芸人はコントでいいのだが、しかし、コントとして見ても面白くない。役者さんは、がんばっているとは思うのだが。

お夕(中村ゆり)のしっとりとした情感に満ちた姿とくらべると、てん(葵わかな)が、かわいそうな気がするほどである。確かに一生懸命にやっていることは伝わってくるのだが、ドラマの中で空回りしている印象がある。

ところで、お夕を演じた中村ゆり。来年の正月のドラマで出る。『平成細雪』で、四女の妙子の役である。中村ゆりは、これまでの朝ドラでは、『おひさま』とか『花子とアン』にも出てきていたかと覚えている。今回もそうだが、薄幸な運命にある若い女性を演じさせると、その雰囲気がなんともいえない。

平成細雪
http://www6.nhk.or.jp/nhkpr/post/original.html?i=12299

さて、『平成細雪』では、どんな妙子の姿を見せてくれるだろうか。今では、『わろてんか』の行く末よりも、来年のドラマの方が気になっている。
追記 2017-12-24

この続きは、
やまもも書斎記 2017年12月24日
『わろてんか』あれこれ「お笑い大阪 春の陣」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2017/12/24/8754088