『わろてんか』あれこれ「さらば北村笑店」2018-03-25

2018-03-25 當山日出夫(とうやまひでお)

『わろてんか』第25週、「さらば北村笑店」
https://www.nhk.or.jp/warotenka/story/25.html

前回は、
やまもも書斎記 2018年3月18日
『わろてんか』あれこれ「見果てぬ夢」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2018/03/18/8805806

今週の見どころは、隼也の出征、それから、北村笑店の終わりだろう。

いや、北村笑店は終わったわけではなく、戦争のために一時的に解散ということのようだが、しかし、再開のめどがあるというわけではない。これから、戦争は、どんどん厳しくなっていく。これからどうなるのだろうか。

大阪の町の戦時中の様子を描いたドラマとしては、以前の『ごちそうさん』を思い出す。このドラマでは、空襲、疎開ということが、かなり綿密に描かれていた。そのせいもあってのことだろうか、今回の『わろてんか』では、そんなにくどく戦時中のことを描くということではなく、次週には、もう戦争は終わるかと思われる。

次週で最終週になるのだが、戦争中のままで終わるということはないだろう。玉音放送があって、戦後の再起をめざすまでは描くことになるかと思っている。

ところで、戦時中、芸人たちは、どんなふうに生活していたのだろうか。寄席は、どのようにして営業していたのだろうか。このあたりの描写が、もうすこし欲しかったように思えてならない。

芸人という職業ならではの、戦時中の喜怒哀楽、悲喜こもごもがあったにちがいない。そこを描くのに、キース・アサリ、リリコ・四郎だけでは物足りないようにも思える。

また、空襲が始まれば、夜の寄席の営業はできなかっただろう。昼間の営業だけだとしても、そこに笑いをもとめて集まるお客さんは、どんなだったのだろうか。寄席ならではの視点からの、戦争の描写がもっとあってもよかったと思う。

大阪の北村の家が留守になって、しかも空襲にあうということになると……これから、藤吉の幽霊はで来る場所がないのではなかろうか。予告を見ると、伊能栞は無事に帰ってくるようだが。

いよいよこのドラマも最終である。北村笑店の再起と、隼也の帰還(するはずだと思うのだが)、最後を楽しみに見ることにしよう。

追記 2018-04-01
この続きは、
やまもも書斎記 2018年4月1日
『わろてんか』あれこれ「みんなでわろてんか」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2018/04/01/8816183