『半分、青い。』あれこれ「東京、行きたい!」2018-05-06

2018-05-06 當山日出夫(とうやまひでお)

『半分、青い。』第5週「東京、行きたい!」
https://www.nhk.or.jp/hanbunaoi/story/week_05.html

前回は、
やまもも書斎記 2018年4月29日
『半分、青い。』あれこれ「夢見たい!」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2018/04/29/8835686

最後の土曜日になって、「やってまった」の鈴愛であったが、これからどうなるのだろう。

この週で描かれていたのは、家族・故郷への思いと、未来への希望・夢だったろうか。

秋風羽織に認められて(といっても、漫画家としての才能というよりも、五平餅の方かもしれないのだが)、東京行きを決意する鈴愛。しかし、その心中は、決して一直線というわけではない。農協への就職を世話してくれた祖父への思いもある。また、鈴愛を、東京に一人で行かせたくない、父や母の気持ちもわかる。

この鈴愛の家族への思いが、じんわりと描かれていたように思う。これから東京に出て行くとして、その東京で故郷のことを懐かしく思い出すことになるのだろう。

一方、律の方は、京都大学を受験するようだが、これは無事に合格するのだろうか。ドラマのこれからを考えると、律も東京に行くことになるのかもしれないと思ったりする。結局、京大も駄目で、東京の私立の有名校といったあたりだろうか。

1989年から1990年にかけてである。日本の情勢はといえば、バブル経済の絶頂期と言っていいだろう。サンバランドは実現しなかったようだが、これは、その後のことを考えると、幸いというべきである。

ちょうど昭和が終わって平成になる時期である。また、世界では、ベルリンの壁が崩壊し、東西冷戦が終わった時期になる。一つの大きな時代の転換点でもある。この時期に、東京に出て生活を始めることになる地方出身者は、どんな思いでいたのだろうか。

ただバブルの風俗を描くだけにとどまらず、社会情勢、国際情勢のなかで、その社会を生きてきた若者の姿を描いてほしいと思う。ベルリンの壁を壊した若者と同じ時代の空気のなかで生きてきたことになるのである。

ただ気になるのは、鈴愛が漫画家になりたいのか、それとも、故郷を出て東京に行きたいと思っているのか、このあたりの気持ちが、はっきりしていないことである。どうも見ていると、漫画家という仕事、また、その業界について、そんなに知っているということではないようだ。鈴愛は、漫画は「夢」であると言っていた。それは、ある意味でそのとおりなのだが、現実には、その業界の中で生きのびるということが待っているはずである。(漫画家志望の若者といえば、『ひよっこ』に出てきた、富山出身の青年たちを思い出すのだが。)

ともあれ、この週は、鈴愛の故郷と家族への思いが感じられる展開であった。東京に出てから、この故郷と家族が、どのように思い出されることになるのか、このあたり気になるところでもある。

追記 2018-05-13
この続きは、
やまもも書斎記 2018年5月13日
『半分、青い。』あれこれ「叫びたい!」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2018/05/13/8850229

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