『半分、青い。』あれこれ「会いたい!」2018-06-03

2018-06-03 當山日出夫(とうやまひでお)

『半分、青い。』第9週「会いたい!」
https://www.nhk.or.jp/hanbunaoi/story/week_09.html

前回は、
やまもも書斎記 2018年5月27日
『半分、青い。』あれこれ「助けたい!」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2018/05/27/8860437

この週は見どころがいろいろあった。

律と清(さや)の再会。鈴愛と正人の花火。祖父(仙吉)のギターと歌。鈴愛のもとを訪れた母のこと、など……この週で何かを語るというよりも、毎日の回で、それぞれに見どころがある、そんな感じの展開であった。

どのシーンも印象的である。正人と鈴愛の花火のシーンなど、朝ドラのなかでももっとも印象に残る花火であったかもしれない。また、祖父(仙吉)の歌もよかった。「学生街の喫茶店」それから「真夏の果実」。特に、戦争をふりかえる映像とともに歌っていた「真夏の果実」はよかった。

世代的に見るならば、祖父(仙吉)は、戦争に行った世代。復員してきて、結婚。その子供が、鈴愛の父・母の世代ということになる。鈴愛と弟(草太)は、まったく戦争を知らない世代になる。戦争の記憶を語るのに、戦後の戦争を知らない世代の代表ともいえるサザンの曲をもってきたあたりの演出は、実にうまいと思った。

ところで、秋風は、鈴愛にこのような意味のことを言っていた……漫画は虚構の世界である。鈴愛は、恋をしろ、と。

これは何を意味するのだろうか。今後、このドラマは、漫画家としての鈴愛を描くことになるのか。それとも、秋風のもとからさらに飛び立って、現実の世の中ので、リアルの世界の中で、生きていくことになるのか。

今のところ、鈴愛は、秋風のもとで漫画家修業という立場でいる。そこに現れてきたのが、正人である。花火のシーンの後、どうなったのだろうか。律との関係は、これからどうなるのだろうか。

おそらく、秋風のもとでの漫画という虚構の世界で生きていくことはないのだろうと思う。そこから一歩そとに出て、より現実的な世界の中で、今後の鈴愛の人生は展開することになるのかもしれないと思って見ている。

次週は、鈴愛と律との関係も新たな段階になるようだ。楽しみに見ることにしよう。

追記 2018-06-11
この続きは、
やまもも書斎記 2018年6月11日
『半分、青い。』あれこれ「息がしたい!」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2018/06/11/8891893