『西郷どん』あれこれ「別れの唄」2018-06-05

2018-06-05 當山日出夫(とうやまひでお)

『西郷どん』2018年6月3日、第21回「別れの唄」
https://www.nhk.or.jp/segodon/story/21/

前回は、
やまもも書斎記 2018年5月29日
『西郷どん』あれこれ「正助の黒い石」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2018/05/29/8861613

この回で描いていたのは、西郷の人間味あふれる一面であろうか。奄美大島から帰った西郷は、幕末の動乱の中に巻き込まれていくことになる。そこで権謀術数のうずまく中で、薩摩藩をひきいて、倒幕から明治新政府たちあげにいたる。

その前段階のところで、ちょっと一休みという感じで、のんびりとした時間を過ごすことができ、また、人の情に触れることができた日々のこととして、奄美大島編はあったと理解する。

そして、西郷のナショナリズムは、奄美大島の人びとをもふくむものであったことを、描いていたと感じる。この点については、実際の西郷の思想がどうであったか、ということよりも、脚本の意図としてという理解においてである。

薩摩の冨を形成していたのは、奄美大島の人びとへの苛斂誅求を基盤としたものであったことに、西郷は気付く。薩摩にもどり、近代国家としての日本を構想するなかで、ここで描かれたような奄美大島の人びとの生活をもふくんだものとして、近代日本のナショナリズムを西郷は考えていたのかもしれない。

次週以降、幕末の動乱となるようだ。これからこのドラマが、近代日本というものをどのように描いていくことになるのか、楽しみに見ることにしよう。

追記 2018-06-12
この続きは、
やまもも書斎記 2018年6月12日
『西郷どん』あれこれ「偉大な兄 地ごろな弟」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2018/06/12/8892549

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
このブログの名称の平仮名4文字を記入してください。

コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://yamamomo.asablo.jp/blog/2018/06/05/8874400/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。