『半分、青い。』あれこれ「デビューしたい!」2018-06-17

2018-06-17 當山日出夫(とうやまひでお)

『半分、青い。』第11週「デビューしたい!」
https://www.nhk.or.jp/hanbunaoi/story/week_11.html

前回は、
やまもも書斎記 2018年6月11日
『半分、青い。』あれこれ「息がしたい!」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2018/06/11/8891893

漫画作品についての秋風羽織の思いは、このドラマの脚本、北川悦吏子の思いにも通じるものがあるのかもしれない。

この週は、前半から後半にかけて大きく話しが動いた。印象に残るのは、次の二点。

第一に、律との別れである。

鈴愛は、正人に振られている。そして、律とも別れることになった。これはいいとして、いったいいつから鈴愛と律は、お互いを恋人と意識してきたのだろうか。そこのところが曖昧である。だが、結果的に二人は別れることになった。

これは、恋人になろうとしてなれなかった幼なじみ、ということなのかもしれない。お互いを恋の相手と認識する前に、清(さや)が割り込んできたことで、お互いのことに気付く。だが、その気付いたときは、時はすでに遅い。恋人を意識することが、即座に、別れにつながってしまっている。

第二に、鈴愛の漫画家デビューである。

このドラマ、始まるまでの予告では、片耳が聞こえないというハンディを背負ったヒロインが、明るく生きていく姿を描く……であったように覚えている。漫画家として、ということは言われていなかったはずである。

が、ドラマの進行とともに、鈴愛は、秋風を師匠として、漫画の世界に生きていくことになる。二年が経過した。

その漫画家を目指す鈴愛に対して、秋風は厳しい。ネタをパクったボクテを破門にするのはいいとしても、鈴愛に対しても、厳しく対応している。自分のネタをひとに渡すようでは、プロ意識として失格であると。

ここまで厳しい言葉を秋風から言われた鈴愛は、今後、漫画家の道を選ぶか、それとも、漫画家を断念するか、どちらかしかないのだろう。(予告では、漫画家の道を選ぶようであるが。)

以上の二点が、この週で印象に残っているところである。

特に、創作者としての漫画家がどうあるべきかという秋風の姿は、このドラマの作者である北川悦吏子自身の姿に重なるところを感じる。この意味では、この作品、北川悦吏子にとって渾身の作と言っていいのだろう。(無論、これ以外の作品もそうであるにちがいないのだろうが。)

そして、律がどのように再登場することになるのか、期待して見ることにしよう。

追記 2018-06-24
この続きは、
やまもも書斎記 2018年6月24日
『半分、青い。』あれこれ「結婚したい!」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2018/06/24/8901850