『西郷どん』あれこれ「西郷どん」スペシャル22018-07-10

2018-07-10 當山日出夫(とうやまひでお)

NHKはいったい何を考えているのか……まあ、確かに、前回のスペシャルもそれなり面白かったといえば、面白かったのであるが、しかし、無くてもよかったように思う。ここにきて、スペシャル第二弾である。

ドラマの展開としては、遠島になっていた西郷が、呼び戻されて、これから倒幕の志士として活躍する、その直前で、今後の展開についての解説といったところだろうか。

取り上げられていた登場人物は、坂本竜馬、勝海舟、岩倉具視、桂小五郎、である。ドラマとしては、これらの登場人物によって、幕末から明治維新を描こうということである。

ちょっと気になったこと……それは、「革命」ということばを、番組中で使っていたことである。明治維新は、「革命」なのであろうか。いや、そうではなく、これからこのドラマは、明治維新を「革命」として描こうという意思表示ととらえるべきかもしれない。

歴史学の分野においても、明治維新を「革命」ととらえる考え方には、いろいろあるはずである。それをふまえたうえで、「革命」ということでドラマが展開することになるのだろう。

この「革命」のことば……「易姓革命」ということばでは古くからある用語である。だが、今日のような意味で使われるようになったのは、新しいことだろう。だが、そのようなことをいうのは、野暮である。ここは、「明治維新=革命」という歴史観に沿って、このドラマがつくってあるのだと、理解しておけばよい。その意図を鮮明にしたという意味でのスペシャルであった。