日曜劇場『この世界の片隅に』第五話2018-08-15

2018-08-15 當山日出夫(とうやまひでお)

TBS日曜劇場『この世界の片隅に』第五話
http://www.tbs.co.jp/konoseka_tbs/story/v5.html

前回は、
やまもも書斎記 2018年8月8日
日曜劇場『この世界の片隅に』第四話
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2018/08/08/8936597

この週のキーワードは、「普通」だろうか。

北條の家に嫁いだすずのもとに、海軍の水原が訪ねてくる。行火を持って行くところ、鳥の羽をペンにして絵を描くところなど、これらは、原作(漫画)のとおり。納屋の二階で水原は、すずに「普通」であってほしいという意味のことを言っていた。昭和一九年の終わりである。日本の敗色が見え始めたころだろうか。海軍にいる水原には、内地にいる一般の人びとよりも、戦局が見えているのだろう。

昭和一九年から二〇年のころ……「普通」に暮らすことが難しくなってきている。せいぜい、年末に餅つきが出来たのが、幸いということである。

この「普通」ということば、原作(漫画)でも使われている。戦時という「普通」でない時代に、海軍という「普通」でないところにいる水原。彼は、すずに「普通」であって欲しいと語る。

また、すずの兄・要一も戦死する。これも原作(漫画)に描かれている。戦地から帰ってきたのは、遺骨ではなく、ただの石だった。「普通」に死者を弔うこともできない時代になってきているということである。

この週も、ほぼ原作(漫画)のとおり。汽車の中での喧嘩のシーンも、そのとおりである。

原作(漫画)を題材にして、膨らませてあるのが、家族が風邪をひいてザボンを買ってくるところ。ヤミ市でザボンを買ったすずは、リンのいる遊郭をたずねる。そこで、茶碗を、リンに渡してくれとあずける。ここで、ザボンも登場していた。ここのところは、原作(漫画)には、無いシーンである。が、巧みに、リンに対するすずの思いを描いていたと感じる。

ところで、この週の現代パートのところで、北條という女性が登場していた。この女性の正体は誰なのだろうか。これは、今後の展開で明らかになっていくのだろう。

追記 2018-08-22
この続きは、
やまもも書斎記 2018年8月22日
日曜劇場『この世界の片隅に』第六話
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2018/08/22/8947407

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