『西郷どん』あれこれ「薩長同盟」2018-08-28

2018-08-28 當山日出夫(とうやまひでお)

『西郷どん』2018年8月26日、第32回「薩長同盟」
https://www.nhk.or.jp/segodon/story/32/

前回は、
やまもも書斎記 2018年8月21日
『西郷どん』あれこれ「龍馬との約束」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2018/08/21/8946777

今回は、薩長同盟が成立する一件。

まず、よくわからないのが、なぜ、薩摩と長州がいがみあっているのだろうか、というそもそもの原因。まあ、禁門の変のことはでてきていたのだが、長州がなぜ、幕府と敵対することになったのか、なぜ長州征伐ということになったのか、このあたりの経緯が、描かれていないように感じる。(まあ、これは、私の歴史への予備知識が無いといえば、それまでなのであるが。)

一方、薩摩も、また幕府と敵対する立場をとる。これは、徳川の治世に見切りを付けたというところであろう。

ともあれ、薩長同盟ということにはなったのだが、何故、薩摩と長州がいがみあってきたのか、そして、なぜ、薩長同盟ということになったのか……このあたりのことが、今ひとつ具体的によくわからない展開であった。歴史の結果として、薩長同盟が倒幕への重要な局面であることは分かるのだが。

薩長同盟のところで興味深かったのは、西郷の台詞……薩摩とか長州とか言っている場合ではない、日本というものを考えるときである、異国からの侵略に対してどうして日本を守るか考えねばならない、と……このような意味のことを言っていた。確かに、徳川幕府に政権担当能力は無いという判断であるのかもしれないが、では、その徳川の世にかわって、どのような政治形態を作っていこうとしているのか、このあたりも曖昧である。

西郷の日本への思い……それをナショナリズムと言ってもいいかもしれないが……は、分かるのだが、なら、どのような日本の将来の姿をイメージしていたのか、はっきりしない。ただ、そのナショナリズムを描くところで、薩摩と長州の留学生のことを題材に出してきたあたりは、幕末ドラマとして、新機軸というべきだろうか。

薩長同盟の次のポイントは、おそらく、官軍として錦の御旗を得るにいたるところかと思う。そして、江戸城の無血開城、幕府の瓦解、戊辰戦争、といった流れになるのだろう。幕府を倒すという意思は伝わってくるのだが、その後、どうするのかがはっきりしない……ということで、明治維新をこのドラマは、どのように描くつもりなのであろうか。

このドラマ、西郷の純朴なナショナリストとしての側面をつよく打ち出す方針のようである。また、怜悧に時勢を判断しつつも、西郷の盟友として動くことになる大久保。この二人、それから、桂小五郎が、倒幕から明治維新という流れの中でどのように働いていくことになるのか、見ていきたいと思っている。

追記 2018-09-04
この続きは、
やまもも書斎記 2018年9月4日
『西郷どん』あれこれ「糸の誓い」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2018/09/04/8955923

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