『まんぷく』あれこれ「結婚はまだまだ先!」2018-10-07

2018-10-07 當山日出夫(とうやまひでお)

『まんぷく』第1週「結婚はまだまだ先!」
https://www.nhk.or.jp/mampuku/story/

新しい朝ドラも見ることにした。こんどの朝ドラには、モデルがある。インスタントラーメンの開発者である。だが、そこは、ドラマとして、適宜アレンジして作っいくことになるのだろう。

第一週を見て思ったことをいささか。二点あげてみる。

第一には、昭和一三年からはじまって、昭和一六年までであった。日中戦争が本格化してから、さらに、太平洋戦争で米英と戦いをはじめるまでである。この時代、はたして、人びとの暮らしはどうだったのだろうか。このドラマでは、特に世相を描くということはないようだが、それでも、昭和一〇年代のこのころまでは、まだ物資もあり、生活に戦争が強く影響するということではないようだ。

第二には、その世相を背景としながらも、大阪のホテルで働く福子の姿が生き生きと描かれていた。最初の回から、ホテルの電話交換手になって、そこに電話をかけてきたのが、萬平(将来の夫)という設定。このあたりの脚本はうまいと感じた。自然な感じで、福子だけではなく、萬平のことも、ドラマで描くことに成功している。

以上の二点が、第一週を見て感じたことなどである。

このドラマは、インスタントラーメンの開発の物語であるのだが、第一回から、屋台のラーメンが登場してきていたのには、すこしおどろいた。これも、福子が、学校の友達たちと一緒に何か食べることになるという設定。

だが、この当時、屋台のラーメン店など、女学校を出たばかりの女性が気楽にたちよれるような存在だったのだろうか、ちょっと気になる。それから、ドラマの中の台詞で、「支那そば」と言っていたのにおどろいた。NHKがドラマの中とはいえ、「支那」のことばをつかっていた。

日本国語大辞典(ジャパンナレッジ)を確認してみると、この当時、すでに、「中華そば」のことばはあったようである。が、ここは、「支那そば」といった方が、より時代を感じさせることになるのかもしれない。

なお、「ラーメン」の初出は、一九三〇年である。昭和五年。「ラーメン」ということばは、昭和になってからのことばであることが知られる。

第一週を見た限りであるが、このドラマは、うまくいきそうな予感がしている。BK(大阪)制作の朝ドラとしては、『ごちそうさん』『マッサン』『あさが来た』と同じように期待できそうである。楽しみに見ることにしよう。

追記 2018-10-14
この続きは、
やまもも書斎記 2018年10月14日
『まんぷく』あれこれ「…会いません、今は」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2018/10/14/8972800