『西郷どん』あれこれ「西郷立つ」2018-12-04

2018-12-04 當山日出夫(とうやまひでお)

『西郷どん』2018年12月2日、第45回「西郷立つ」
https://www.nhk.or.jp/segodon/story/45/

前回は、
やまもも書斎記 2018年11月27日
『西郷どん』あれこれ「士族たちの動乱」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2018/11/27/9003784

結局、西郷は、何を考えていたのだろうか……そこのところがわからない。しかし、これは、わからないように描いている、そう理解した方がいいだろう。

私学校にもぐりこんだ密偵の件が露見する。そのことによって、ついに私学校の士族たちが暴発することになる。それをひきいて、西郷は東京をめざす。ここで、西郷は、戦争になることを予見していたのだろうか、ここのところも曖昧である。

このあたり、例えば『翔ぶが如く』(司馬遼太郎)においても、結局はわからない、ただ、わかっているのは、その歴史の結果として、西南戦争がおこり、西郷は敗れることになる……あくまでも、結果から見て描いていたように憶えている。

だが、やはり、歴史というものがこのドラマからは見えてこない。歴史上のエピソードの各場面を、ナレーションで繋いで見せている、そのような印象はどうしても残る。とはいえ、出演の役者たちの熱演の雰囲気は伝わってくる。このドラマ、役者の頑張りでなんとかもっているという感じがする。歴史を舞台にしたドラマではある。しかし、歴史というものが見えてこない、そのうらみは残る。

次回、西南戦争になる。さて、このドラマ、西郷の最期は描くとして、大久保の最期まで描くことになるのだろうか。そのあたりが、気になるところでもある。

追記 2018-12-11
この続きは、
やまもも書斎記 2018年12月11日
『西郷どん』あれこれ「西南戦争」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2018/12/11/9010741