『1Q84』BOOK3(前編)村上春樹2019-04-05

2019-04-05 當山日出夫(とうやまひでお)

1Q84(5)

村上春樹.『1Q84』BOOK3(前編)(新潮文庫).新潮社.2012(新潮社.2010)
https://www.shinchosha.co.jp/book/100163/

続きである、
やまもも書斎記 2019年4月4日
『1Q84』BOOK2(後編)村上春樹
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2019/04/04/9055285

私は、基本的にSFは読まないことにしている。が、この作品、「BOOK3」になって、ふと違和感を感じる。これは、壮大な叙述トリック……あるいは、パラレルワールドではないのだろうか。「BOOK2」の首都高のシーンから反転して、別の世界に紛れ込んでしまったのではないのか、そのような印象を持つ。その世界が、「1Q84」(「1984」ではなく)なのではないのだろうか。

読んでいって感じるのは、この物語は、ある意味で荒唐無稽である。だが、読んでいくと、ふと我知らずそのストーリーの中にはいってしまっていることに気付く。そして、時折ではあるのだが、非常に抒情的なシーンがでてくる。散文詩のように。

ただ、この小説が刊行された時の事情は記憶している。「BOOK1」「BOOK2」が先に出て(2009年)、その一年後に「BOOK3」が刊行になった(2010年)。その間、一年ほど空いている。この間に何があったのだろうか。

また、この小説は、ある不気味な宗教教団……カルトと言ってもいいか……が登場する。平成という時代、ある宗教教団の起こした事件はあまりにも有名である。その事件のことを、この小説はふまえていないわけはない。だが、読んでいって、少なくとも私には、そのようなことは特に気にならなくなっている。これはこれとして、一つの確固とした小説世界を構築している、そのことだけは言える。

が、ともあれ、ここまで読んで来て、残るは、一冊になった。最後まで読み切ってしまおう。最後に、青豆と天吾がどのような結末をむかえるこになるのか、楽しみに読むことにしよう。

追記 2019-04-06
この続きは、
やまもも書斎記 2019年4月6日
『1Q84』BOOK3(後編)村上春樹
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2019/04/06/9056096

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