『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(上)村上春樹2019-05-02

2019-05-02 當山日出夫(とうやまひでお)

世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド(上)

村上春樹.『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(上)(新潮文庫).新潮社.2010 (新潮社.1985)
https://www.shinchosha.co.jp/book/100157/

『ノルウェイの森』に続いて読んだ。

やまもも書斎記 2019年4月27日
『ノルウェイの森』(下)村上春樹
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2019/04/27/9065024

これは、「異世界」の物語である。そして、二つの物語が、パラレルに進行する。そして、上巻まで読んだ限りでは、この二つの物語は交わることがない。ただ、接点というべきものが、一角獣の頭骨である。

二つの物語……その一つ、「ハードボイルド・ワンダーランド」は、「私」がエレベーターにはいるところからスタートしている。これは、まさに異世界の入り口に他ならない。そして、そのいきついた先には、さらに、謎の地底世界の暗闇がひろがっている。

そして、もう一つの物語「世界の終り」、これも、門をくぐるところから始まっている。門というこの世界と別の世界の境界をくぐって、「僕」は壁でしきられた異世界に入り込むことになる。そこでの仕事は、「夢」を読むことである。

この世界から異世界へ、そして、夢……村上春樹の文学の重要な概念になることがらが、この小説にはちりばめられている。

この二つの異世界の物語は、これからどう関係していくことになるのであろうか。一角獣とは何なのか。博士はどうなったのか。続きの下巻を楽しみに読むことにしよう。

追記 2019-05-03
この続きは、
やまもも書斎記 2019年5月3日
『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(下)村上春樹
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2019/05/03/9067654

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