『騎士団長殺し』(第2部 遷ろうメタファー編)(上)村上春樹2019-05-25

2019-05-25 當山日出夫(とうやまひでお)

騎士団長殺し

村上春樹.『騎士団長殺し』(第2部 遷ろうメタファー編)(上)(新潮文庫).新潮社.201 (2017.新潮社)
https://www.shinchosha.co.jp/book/100173/

続きである。
やまもも書斎記 2019年5月24日
『騎士団長殺し』(第1部 顕れるイデア編)(下)村上春樹
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2019/05/24/9076256

少女は、異界から使者なのだろうか。森のなかの秘密の通路をとおって少女がやってくる。

この作品、やはり私には、異界、異世界の物語として読める。主人公の「私」は画家である。肖像画を描いている。肖像画というのも、ある意味では、この世界をうつして、別の世界を構築していく行為であるとも解釈できる。異世界としての絵画である。

また、謎のほこらの穴。この地下の空間は、いったいどこに通じているのであろうか。地下の空間は、『ねじまき鳥クロニクル』の井戸を思い起こす。この世界ではない別の世界、あるいは、別の世界への通路、入り口、境界、それを象徴するのが、地下の空間であり井戸であるように思えてならない。

『騎士団長殺し』の絵は、いったいどんな謎を秘めているのか。

さらには、鈴は、いったい何であるのか。

この小説を読み進めていって、ますます謎がふかまるばかりである。騎士団長のことばは何を意味していたのか。少女のゆくえはどこに。残りは、あと一冊になった。楽しみに読むことにしようと思う。

追記 2019-05-27
この続きは、
やまもも書斎記 2019年5月27日
『騎士団長殺し』(第2部 遷ろうメタファー編)(下)村上春樹
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2019/05/27/9077517