『スカーレット』あれこれ「弟子にしてください!」2019-11-17

2019-11-17 當山日出夫(とうやまひでお)

『スカーレット』第7週「弟子にしてください!」
https://www.nhk.or.jp/scarlet/story/index07_191111.html

前回は、
やまもも書斎記 2019年11月10日
『スカーレット』あれこれ「自分で決めた道」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2019/11/10/9174882

この週で、喜美子は、フカ先生の弟子になることができた。この経緯をしみじみと描いていたと思う。

火鉢の絵付けに興味をもった喜美子は、フカ先生に弟子入りすることを決意する。そのフカ先生が、なぜ火鉢の絵付けをしているのか、その理由を語ったシーンが印象的であった。戦争で、戦争画を描かざるをえなかった時代を経て、自由に好きなものを描いてよい時代になった。その喜びがある。だから、火鉢の絵付けをしていると、自然と笑いがこみ上げてくる。このあたりの描写が、シリアスでもあり、ちょっとコミカルでもあり、よかったと感じる。

これから、陶芸家として生きていくことになるであろう喜美子のなかに、このフカ先生の気持ちがうけつがれていくことになるにちがいない。

そのフカ先生と、喜美子の父が酒場で話しをする場面も面白かった。酒場で意気投合したのだが、父親は、それがフカ先生であると最初は気付かなかった。しかし、フカ先生の人柄にほれた、というのだろうか、喜美子のフカ先生への弟子入りを許すことになる。

また、ちや子さんは雑誌記者になった。琵琶湖大橋の建設を取材にやってきた。このちや子さん、これからも、また登場することがあるだろうか。陶芸家として成長していく喜美子を見守る存在であるような気がする。

土曜日のおわりで、また歳月が経過していた。喜美子は、一人前になれたのであろうか。また、照子や信作との関係は、今後どうなっていくのであろうか。これから、さらに波乱がおこりそうな予告であった。次週も楽しみに見ることにしよう。

ところで、ドラマは、昭和三〇年すぎの時代。思い起こせば、この時代まで、火鉢というのは、生活必需品であった。我が家でも、使っていた記憶がある。戦後の日本の生活様式の変化と、陶磁器産業の変遷も、またこのドラマで描かれることになるかと思う。このあたり、これからどのように描かれることになるのか、注目していきたいとも思っている。

追記 2019-11-24
この続きは、
やまもも書斎記 2019年11月24日
『スカーレット』あれこれ「心ゆれる夏」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2019/11/24/9180650