『麒麟がくる』あれこれ「尾張潜入指令」2020-02-11

2020-02-11 當山日出夫(とうやまひでお)

『麒麟がくる』第四回「尾張潜入指令」
https://www.nhk.or.jp/kirin/story/4.html

前回は、
やまもも書斎記 2020年2月4日
『麒麟がくる』あれこれ「美濃の国」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2020/02/04/9210092

若いころの明智光秀のことはよく分かっていないらしい。ということで、この回で描いていたことは、ドラマとしてはフィクションと理解して見ていいのだろう。

光秀は、斎藤道三から、尾張へ偵察に行くように命じられる。そこにまず向かったのは、医師の東庵であった。この東庵という医者、どうもただものではないようである。京の都では、人びとを助ける医者であったが、光秀に乞われて美濃に来ることになる。医者という仕事の故であろうか、各地の大名とも親交があるらしい。

その東庵から情報を得るために、光秀と菊丸は、農民に変装して潜入する。ともかく東庵と会って情報を得ることができたが、しかし、織田信秀からは、怪しまれる。追っ手をさしむけられるのだが、そこで、窮地に陥った光秀を、謎の人物が石つぶてで助ける。さて、これは、いったい何者なのであろうか。あるいは、同行した菊丸の仲間か。そうすると、菊丸も、ただの農民ではなさそうである。(つまり、菊丸という登場人物は、ドラマにおいては、農民の視点を描くために出てきているのではなく、何か謎めいた背景のある人間ということになる。)

医者の東庵といい、菊丸といい、どうもその背景にはなにかがありそうな気配がする。しかし、その正体は、まだ明らかになっていない。たぶん、このドラマの進行とともに、どのような素性の人物なのか分かってくるのだろうと思う。

このあたり、フィクションとしての時代劇ドラマにおいて、たくみな脚本であると感じるところがある。

また、尾張の城中であった、竹千代、後の徳川家康。これも、フィクションとして見ておけばいいのだろうが、戦国武将としてこれから登場してくるであろう、信長、秀吉といった人間が、どのように描かれることになるのか、これも楽しみなところである。

ところで、この回ですでに本能寺のことが出てきていた。本能寺というのは、いわゆる本能寺の変ということで名前は知られているが、戦国時代にあて、どのような寺院であったのか、ここのところは、一般に知られていることが少ない。ここをうまく使って、鉄砲と本能寺を、ドラマの筋のなかにからめてあったと思う。

次回、足利義輝将軍も登場することになるようだ。楽しみに見ることにしよう。

2020年2月10日記

追記 2020-02-18
この続きは、
やまもも書斎記 2020年2月18日
『麒麟がくる』あれこれ「伊平次を探せ」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2020/02/18/9215065