『スカーレット』あれこれ「春は出会いの季節」2020-02-16

2020-02-16 當山日出夫(とうやまひでお)

『スカーレット』第19週「春は出会いの季節」
https://www.nhk.or.jp/scarlet/story/index19_200210.html

前回は、
やまもも書斎記 2020年2月9日
『スカーレット』あれこれ「炎を信じて」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2020/02/09/9211772

この週で描いていたのは「一人」ということだったかと思う。

母のマツが死んだ。子どもの武志は、京都の美大に進学する。そして、もどってきても、一人で生活をはじめる。結局、喜美子は一人である。

見ていて印象的だったのは、喜美子が一人で食事をするシーン。これが、何度かあった。夫がいなくなり、母が死に、子どもが手元を離れて、喜美子は一人である。だが、喜美子は、陶芸というものがある。一人であることを背負って、陶芸の道にうちこんでいるように見える。だが、そんなに悲壮感があるというのではない。ごく自然に一人の人間として生きている。

この一人の人間が、一人で生きていくということを、このドラマは、ごく自然に素直に描いていると思う。

喜美子が一人だからこそ、市会議員になったちや子と一緒に家のなかでふれあう場面が印象に残る。

また、その喜美子をたずねてきた女性、小池アンリ。何やら、その人生にはいわくいんねんがありそうである。だが、金はあり、また、陶芸に対する造詣もふかいようだ。このアンリと喜美子との交流も、どことなくコミカルで面白かった。

そして、あるいは、アンリも一人であったのかもしれないと感じさせるところがあった。

さて、次回以降、いろいろ波瀾万丈のドラマになるようである。楽しみに見ることにしよう。

2020年2月15日記