『戦争と平和』(六)トルストイ/岩波文庫(その二)2020-05-22

2020-05-22 當山日出夫(とうやまひでお)

戦争と平和(6)

続きである。
やまもも書斎記 2020年5月21日
『戦争と平和』(六)トルストイ/岩波文庫
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2020/05/21/9248933

『戦争と平和』の岩波文庫を読みながら、いくつか付箋をつけたところがある。そのうちの一つについて、書いておきたい。

第六冊目の、エピローグの第二編、p.361。ここに、「ギボンからバックルにいたるまで」とある。

このうちギボンは、『ローマ帝国衰亡史』をさして言っているのだと思う。

バックルである。私が、バックルの名前を知っているのは、福澤諭吉『文明論之概略』によってである。いや厳密には、『文明論之概略』のネタ本として知っていると言った方がいいだろうか。

ジャパンナレッジでバックルを見る。世界大百科事典には、『イギリス文明史』(1857-61)の著者として載っている。バックルの生没年は、1821~62である。

ちなみに、トルストイは、1828~1910である。『戦争と平和』が書かれたのは、1865~69。

ちょうど、『戦争と平和』が書かれたときは、バックルの没後まもなくのころであり、『イギリス文明史』の刊行から、それほど時間はたっていない。ほぼ、同時代の著作と言っていいことになろう。

おそらく、トルストイの生きていた時代、同時代のヨーロッパにおける高名な歴史家として、知られていたのかと思う。それを、福澤諭吉も読んだことになる。

なお、『文明論之概略』は、1875(明治8)である。

久々にバックルの名前を目にした。『文明論之概略』、あるいは、『「文明論之概略」を読む』(丸山眞男)を、読んでみたくなった。が、その前に、部屋の本を片づける必要があるのだが。

2020年5月21日記

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
このブログの名称の平仮名4文字を記入してください。

コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://yamamomo.asablo.jp/blog/2020/05/22/9249250/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。