『エール』あれこれ「いばらの道」(再放送)2020-07-16

2020-07-16 當山日出夫(とうやまひでお)

前回の週の放送については、
やまもも書斎記 2020年7月10日
『エール』あれこれ「運命のかぐや姫」(再放送)
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2020/07/10/9266503

本放送のときのことは、
やまもも書斎記 2020年4月19日
『エール』あれこれ「いばらの道」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2020/04/19/9236927

本放送のときに書いたことを読みなおしてみると、この週では、実にいろいろとあった。ハーモニカ倶楽部のこと、作曲のこと、養子のこと、銀行のこと、それから、志津とのこと。

この週の放送をみたところで、思うのは、やはり、最後の志津の「ば~か」である。裕一は、女性にもてるのか、あるいは、実はあんまり興味がないのか……どうも、今一つわからない。そういえば、次週で、音との出会いがあることになるのだが、この二人が恋におちる経緯が、なんとなくそうなってしまった、という感じだったのを覚えている。

それにしても、あの銀行は大丈夫なのだろうか。このドラマはあまり時代的背景、世相というものを描かない方針のようだが、昭和初期の不況のころのはずである。銀行も苦しかったのだろうと思うが、そのあたりはいったいどうなのだろうか。

また、この週の放送で出てきていた養子の件、これからの展開の伏線にもなっている。裕一が最終的に音楽の道に志すことになるのは、音との出会いがあってからのことになるのだが、それまでの裕一は、「家」のために養子として銀行で働いている。

そう思ってみると、このドラマは、「家」の物語という側面もあると感じるところがある。呉服屋の古山の「家」、川俣のおじさんの「家」……このような「家」の束縛から自由になって、音楽活動に専念できるようになるのは、音と一緒になって、東京で、新しい「家」、いや、この場合には、「家」というよりも「家族」「家庭」と言った方がいいかもしれない……それを、選ぶことによってということになる。

このドラマは、「家」から「家族」への物語であると見ることができるかもしれない。

次から、第四週の放送になるはずである。音との出会いを、もう一度見ることにしよう。

2020年7月15日記

追記 2020-07-23
この続きは、
やまもも書斎記 2020年7月23日
『エール』あれこれ「君はるか」(再放送)
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2020/07/23/9270850