オンライン授業あれこれ(その一六)2020-08-16

2020-08-16 當山日出夫(とうやまひでお)

続きである。
やまもも書斎記 2020年8月9日
オンライン授業あれこれ(その一五)
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2020/08/09/9276805

ここ数日の京都や大阪の状況を見ていると、どうも後期から無事に教室で授業というわけにはいかないかもしれない。が、ここしばらくは、情勢を眺めているしかない。

前期、オンデマンド方式の授業をやってみた経験でいうならば、結果的には、教室で授業するのとかわらないかもしれない。いや、ある意味で本来の姿にもどって、勉強する意欲、意志のある学生が、きちんと学習するという形になっているとも言ってよいだろうか。

ただ、漫然と、時間割があって、決まった時間に、決まった教室に出てきて話しをきいている、すくなくとも、出席はしている……という状態ではなくなっている。このような散漫な状態で勉強した気になっているという学生を、振り落とすことになっている。

これを、プラスととらえるか、あるいは、マイナスととらえるかは、微妙なところである。

決まった時間割通りに学校に出てくることに意味がある、という立場からは、教育的にマイナスの評価にならざるをえない。しかし、そこに勉強への意志があるかどうか、ということで測ってみるならば、その気のない学生は、来なくてもいいとも言える。

そして、どうしても問題になるのが、学生のコンピュータ利用の実態。これまでの経験では、スマホも持っていない、PCも持っていない、しかし、勉強への意欲はある、という学生が、確かに存在している。このような学生にとっては、オンラインの授業というのは、厳しいことになっているにちがいない。このことは、やはり考えておく必用がある。

前期の間に四回のレポート課題とした。そのレポートを読む限りであるが、きちんと勉強している学生は、通常の授業をおこなったときと、そう変わらない。また、通常の授業があったとしても、例年、まったく授業に出てこない、試験も受けないという学生がいる。このような学生が、オンライン授業になったからといって、きちんと教材を読んでレポートを提出するとも思えない。厳しいようだが、そもそも教室に出てきてくれない学生の面倒までは、一介の教師としては、対応できることではない。オンラインの授業になって、そもそも学校のLMSを見ないような学生については、どうすることもできない。

もし、後期もオンライン授業になった場合には、さらにLMSなど活用して、学生とのコミュニケーションを取るようにしようとは思っている。これは、はっきりいって、かなりの負担にはなる。しかし、より多くの学生を、より無理なく、授業についてこれるようにするためには、可能な限りのことをするしかない。

前期のレポートは締め切った。ただ、形式的に不備のある学生については、特段の事情ということで、少し猶予をあたえて再提出の機会をもうけることにした。それを明日までということにしてあるので、それが過ぎてから、提出のあったレポートを再点検して、評価ということになる。

後期のことは、そのときになってから考えるしかない。

2020年8月14日記

追記 2020-08-23
この続きは、
やまもも書斎記 2020年8月23日
オンライン授業あれこれ(その一七)
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2020/08/23/9281248