NHK 昭和の選択 「太平洋戦争 東條英機 開戦への煩悶」2020-12-11

2020-12-11 當山日出夫(とうやまひでお)

12月9日の夜の放送。録画しておいて、翌日の昼間に見た。

昭和の選択 「太平洋戦争 東條英機 開戦への煩悶」
https://www.nhk.jp/p/heroes/ts/2QVXZQV7NM/episode/te/18R81PGNYL/

東條英機をめぐっては、様々に今日の観点から論ずることができるだろう。無論、それは、歴史の結果を知っている現代のわれわれの視点においてである。いかように批判することもできるだろうし、また、逆に、擁護することもできるだろう。

この番組を見て……あるいは、多くの太平洋戦争関係の番組など見て強く感じることなのであるが……対米戦争をはじめるにあたって、それをどのように終わらせるか、という将来の見取り図を描いていたのだろうか。具体的に、どのような条件で、講和となるのか、誰かそこのところを考えていたのだろうか。

これを考えずに戦争を始めるということは、その結果が勝ったにせよ、あるいは、負けたにせよ、国家の指導者としては、無謀、無能、といっていいのではないか。

番組の語っていたところによれば、東條英機は必ずしも開戦に積極的ということではなかった。むしろ、開戦に積極的であったのは、日本の世論の方であったといえるだろう。しかし、それを配慮することで、結局は、両論併記のまま、無謀な選択をすることになる。その背景にあったのは、冷静な現実的な判断、分析、これが欠けていた。

希望的観測、楽観的な見通しのもとに、ことを始めてはならない。歴史の教訓としては、このことを強く感じる。

2020年12月10日記