『麒麟がくる』あれこれ「訣別」2020-12-15

2020-12-15 當山日出夫(とうやまひでお)

『麒麟がくる』第三十六回「訣別」
https://www.nhk.or.jp/kirin/story/36.html

前回は、
やまもも書斎記 2020年12月8日
『麒麟がくる』あれこれ「義昭、まよいの中で」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2020/12/08/9324621

ついに、信長と将軍義昭は対立することになる。光秀はいったい誰に忠誠心を持っているということになるのだろうか。光秀は苦悩することになる。

この回の見どころはいくつかあった。いずれも、光秀との対面のシーンである。

第一に、光秀と正親町天皇。

実際に「会った」ということではないが、宮中に参内して、光秀は正親町天皇の声を聞くことができた。天皇という存在を直に知ったことで、これから光秀の気持ちはどう変わっていくことになるのだろうか。武家の棟梁としての将軍を中心とした平らかな世という気持ちは、どうなるのか。

第二、光秀と熙子。

権謀術数うずまく京の都にあって、光秀が心をゆるせるのは妻の熙子だけかもしれない。二人の情感のこもった対話のシーンが印象的であった。

第三に、光秀と義昭。

義昭は剣術の稽古をしていた。かつての僧侶であったころの義昭からは、かなりの変化というべきだろう。これは、義昭はそれなりに武家の棟梁としての自覚を感じ始めたということかもしれない。だが、果たして義昭はその器であるのだろうか。

第四に、光秀と信長。

どうやら、信長は義昭に見切りをつけたかのごとくである。が、特に信長の方からことを荒立てることはしないようだ。信長は信長なりに乱世を生き抜こうとしている。

以上、いくつかの光秀を軸とした、いくつかの人物との対面シーンで構成されていた回であったかと思う。

そして、最後に、将軍義昭は、決定的に信長と対決することを意思表示する。しかし、これに、光秀としては、とまどい、困惑し、悩むことになる。光秀は、義昭とも、信長とも、また、正親町天皇とも、それぞれに、親近感、あるいは、忠誠心というべきものをいだいている。これらが、相反し、対立するようになったとき、光秀は、何によって行動すればよいことになるのだろうか。

大きな歴史の結果は、現代のわれわれは知っているのだが、このあたりの光秀の苦悩、それから、信長をめぐる、義昭などの動き……これがこれからどうなるのか、次回以降の展開を楽しみ見ることにしよう。

2020年12月14日記

追記 2020-12-22
この続きは、
やまもも書斎記 2020年12月22日
『麒麟がくる』あれこれ「信長公と蘭奢待」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2020/12/22/9329216