『レンブラントをとり返せ』ジェフリー・アーチャー2020-12-18

2020-12-18 當山日出夫(とうやまひでお)

レンブラントを取り返せ

ジェフリー・アーチャー.戸田裕之(訳).『レンブラントをとり返せ-ロンドン警視庁美術骨董捜査班-』(新潮文庫).新潮社.2020
https://www.shinchosha.co.jp/book/216150/

ジェフリー・アーチャーの作品は、おおむね読んできている。その日本への紹介のはじめは、たしか『百万ドルをとり返せ』であったはずである。これは、私が学生のころのことになる。そして、ここいらあたりから、新潮文庫で、海外のミステリなどの小説を刊行するようになってきたと記憶する。

小説としては、レンブラント盗難事件からはじまる。そこで、本物のレンブラントの作品にあるはずの署名の有無を指摘するのが、大学で美術を学んだ、新人の巡査であるウォーウィックであった。そして、物語は、美術品の盗難事件、さらには、銀製品の盗難事件をふくんで、おおきく発展することになる。

読んだ印象としては、英国なりの警察小説であり、法廷小説であるということである。主人公のウォーウィックの父と姉は、弁護士である。かれらと、ウォーウィックは、法廷を顔を合わせることになる。なるほど、英国流の裁判、法廷というのは、こんな感じなのかと、興味深く読んだところである。

ところで、この作品、「クリフトン年代記」の続編になるとのことである。「クリフトン年代記」については、出た時に毎年順番に買って積んである本である。全部出てからまとめて読もうと思っていて、なぜか今まで機会をうしなってしまっている。これを機会に、積んである本のなかから探し出してきて、順番に読んでみようかという気になっている。

この『レンブラントを取り返せ』であるが、傑作といっていいだろう。登場人物は多岐にわたり、話しもいろんなストーリーが平行してすすむのだが、一気に読ませる作品にしあがっている。そして、何よりも、最後の一文がいい。ああ、なるほど、こういう結論になるのか、読んで、驚きもし、納得もすること、うけあいである。

2020年12月17日記