『おちょやん』あれこれ「どこにも行きとうない」2020-12-27

2020-12-27 當山日出夫(とうやまひでお)

『おちょやん』第4集「どこにも行きとうない」
https://www.nhk.or.jp/ochoyan/story/04/

前回は、
やまもも書斎記 2020年12月20日
『おちょやん』あれこれ「うちのやりたいことて、なんやろ」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2020/12/20/9328473

結局、千代は道頓堀に別れを告げて新たな旅立ちということになった。

この週の見どころとして思うことは、主に次の二点ぐらいだろうか。

第一には、道頓堀の人びとのやさしさ。

身売りされることになるかもしれない千代のことを、岡安の人びとは……ごりょんさんやみつえなどをはじめとして、同僚のお茶子たちまで、さらには乞食たちをふくめて……つよく大事にしている。最終的には、千代が道頓堀を脱出するまでを、みんなで手助けすることになる。この道頓堀の人びとの人情が、全体を通じてやさしく、また、面白く描かれていた。

第二には、千代のけなげさ。

父の借金の代わりに身売りされようとするのだが、千代はそれを受け入れようとする。本音では、芝居で語っていたように行きたくはないのである。だが、父親のためには仕方ないと諦めかける。この千代の家族を思う、けなげな気持ちが、ドラマチックに描かれていたと思う。

以上の二点が、この週の見どころとして感じたところである。

さらに書いてみるならば、道頓堀の週は、二週だけだったが、そのなかで、芝居に生きる人びと……役者や劇場関係者、さらには芝居茶屋の人びと……の悲哀や喜びといったものを、細やかに描いていたと感じるところがある。実に丁寧な脚本であり、演出であったと感じる。ことに番組中の劇中劇がいい。

また、父親のダメっぷりが、よかった。朝ドラ史上最高のダメ親父であったかもしれない。あるいは、これからも、千代の人生の節目に登場することになるのだろうか。

次の週は来年の放送になるのだが、舞台は京都に移るらしい。これから千代がどんな人生を歩むことになるのか、来年も楽しみに見ることにしよう。

2020年12月26日記

追記 2021-01-10
この続きは、
やまもも書斎記 2021年1月10日
『おちょやん』あれこれ「女優になります」

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