『父の詫び状』向田邦子2021-01-03

2021-01-03 當山日出夫(とうやまひでお)

父の詫び状

続きである。
やまもも書斎記 2021年1月2日
『思い出トランプ』向田邦子
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2021/01/02/9333235

向田邦子.『父の詫び状』(文春文庫).文藝春秋.2006(文藝春秋.1978 文春文庫.1981)
https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784167277215

向田邦子の本をよみなおしてみたくなって順に読んでいる。この本は、若いときに読んでいる。書誌を書いてみて、たぶん一九八一年の文庫本だったろうかと思う。

何十年ぶりかに読みなおしてみて……まさに、この本に語られているとおりなのだが……この本を最初に読んだころのことを、ふと思い出す。まだ、若かったころのことである。

としをとってから再読してみると、向田邦子は、人情の機微、人間の生老病死、というものをたくみに書いていると感じる。特に、人間の「老い」とでもいうべきところに、視野がおよんでいる。これは、若いときによんだのでは気づかなかったところである。

留守番電話と黒柳徹子の話しは、どの本で読んだのかは忘れてしまっていたが、この本であったことを確認したことになる。

このエッセイに描かれたいくつかのシーンは覚えているものがある。それほど、最初に読んだときの印象が強かったということである。しばらくして、向田邦子が直木賞を受賞したと知ったとき、当然だろうと思ったものである。

これは忘れていたことになる。この本のなかに、いくつか飛行機のシーンがある。そのなかで印象的なのは、南米アマゾンに旅行して飛行機に乗る話し。飛行機事故があったというのだが、同行の沢地久枝と一緒に飛行機で旅することになる。普通に本を読んでいったのだが、このところで、ふとページをめくる手がとまってしまった。

向田邦子のエッセイは、私のわかい時の思い出のつまった本でもある。

2020年12月25日記

追記 2021-01-04
この続きは、
やまもも書斎記 2021年1月4日
『無名仮名人名簿』向田邦子
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2021/01/04/9334082

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