プロジェクトX「友の死を越えて」2021-04-10

2021-04-10 當山日出夫(とうやまひでお)

プロジェクトX「友の死を越えて~青函トンネル24年の大工事~」

続きである。
やまもも書斎記 2021年4月3日
プロジェクトX「巨大台風から日本を守れ」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2021/04/03/9363327

これも夜の放送を録画しておいて、後になって昼間に見た。

私は、若いころ、青函連絡船は乗った経験がある。しかし、青函トンネルを通ったことはない。北海道新幹線も乗っていない。

しかし、その工事が完成したときのことは覚えている。この放送も確か見たような記憶があるが、はっきりとはしない。

一九九五年の放送を、今(二〇二一)になって見ると、やはり時代の流れを感じさせるところがある。今の価値観からするならば、難工事にいどむ夫とそれを陰でささえる妻というような図式では、番組を作ることはできないだろう。(つくづくと、時代が変わったものだと思う。)

番組で描いていたのは、静観トンネルの最前線で働く男たちの物語であった。だが、その背後には、トンネル掘削技術の基礎の開発から、資材の研究開発にいたる、広範囲な基礎的技術のひろがりがあったにちがいない。私がこの番組から感じたのは、最前線で働き、あるいは殉職もした男とたちもさることながら、それをささえる基礎的な技術開発にたずさわった多くの人びとの苦労である。多くの人びとのささえによって、青函トンネルという大工事はなしとげることができたのであろう。

たぶん、今の時代においては、もうこのような番組を作ることは難しいのかもしれない。たしかに、現代においても、数多くの「プロジェクトX」は進行しているのだろうとは思う。ただ、一般に知られていないだけで。

今になって再放送のこの番組をみて、私は、そこはかとない郷愁のようなものを感じてしまう。このような時代……青函トンネルを建設することに人生をかける人たちがいたのであり、それを取材してテレビ番組がつくれた時代……が、かつてあったということを、なんとなく感じてしまうのである。

この番組、次週もつづくようだ。続けて見ることにしよう。

2021年4月8日記

追記 2021-04-17
この続きは、
やまもも書斎記 2021年4月17日
プロジェクトX「東京タワー・恋人たちの戦い」
https://yamamomo.asablo.jp/blog/2021/04/17/9367989