映像の世紀(3)「それはマンハッタンから始まった」2021-04-16

2021-04-16 當山日出夫(とうやまひでお)

NHK 映像の世紀 第3集 「それはマンハッタンから始まった」

続きである。
やまもも書斎記 2021年4月9日
映像の世紀(2)「大量殺戮の完成」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2021/04/09/9365370

第三集は、一九二〇年代のアメリカが主な舞台であった。マンハッタンにやってくる移民たちからスタートしていた。そして、ラジオの普及にともなってまきおこった大衆文化。人びとは熱狂した。だが、そのアメリカの繁栄も、大恐慌によって破綻する。

この番組の製作は、一九九五年である。歴史的にかえりみれば、その少し前にあったこととしては……湾岸戦争があり、東西冷戦の終結があり、そして、バブル経済の崩壊ということがあった。(だが、二〇〇一年のテロ事件の前の時代ということにはなる。)

私が見て印象に残っているのは、何よりも、リンドバーグの祝賀パレードに舞う紙吹雪の映像だろうか。第一次政界大戦後のアメリカの繁栄を何よりも象徴しているように思えた。

「映像の世紀」をこれまで見てきたところでは、それほど、歴史に対して批判的という感じはうけない。それよりも、貴重な映像資料で歴史をたどってみせるということに、番組製作の意図があったと思われる。

だが、そうはいっても、実際に残っている映像からうかがい知ることのできるのは、歴史の暗黒面といっても過言ではないだろう。繁栄を誇ったアメリカの一九二〇年代において、黒人や移民への差別があり、それは、無論、現代のアメリカにまで続いている大きな問題である。それが何に起因するのか、たどってみれば、アメリカという国のなりたちそのものを問いかけることになる。

率直な印象としては、アメリカという国はあまり変わっていない、そう思ってしまうところもある。繁栄という光には、かならず影がつきまとっている。アメリカの白人ナショナリズムについては、いろいろと考えるところがある。

ところで、番組のなかで、かなり多くのフィッツジェラルドの作品の引用があった。『グレート・ギャツビー』を、読みなおしてみたくなった。

次回は、ヒトラーを描くことになるようだ。ヒトラーについては、多くの見方ができるだろう。どのような視点から描くことになるのか、楽しみに見ることにしよう。

2021年4月13日記

追記 2021-04-23
この続きは、
やまもも書斎記 2021年4月23日
映像の世紀(4)「ヒトラーの野望」
https://yamamomo.asablo.jp/blog/2021/04/23/9369950